7月は夏の賞与時期となるため、高単価機種の稼働も自然と上がってくるタイミングです。同時に7月は数多くの高単価機種が登場してきますので、今回は高単価機種の稼働を底上げするためのポイントを解説します(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。
6月に入り『L聖闘士星矢 海皇覚醒 CUSTOM EDITION』『L ToLOVEるダークネス』『Lからくりサーカス(再販)』、7月には『Lパチスロ戦姫絶唱シンフォギア 正義の歌』『スマスロ真・北斗無双』といった高単価機、高MY機種が合計6~7万台市場投入されることになります。明らかに飽和状態となり、ただ設置しているだけでは高稼働が見込めないことは明白です。
一時期『パチスロ革命機ヴァルヴレイヴ』の大量導入と、それに伴う圧倒的出玉感によって集客する営業手法がトレンドとなりました。稼働をつけることに成功したホールでは、赤字運用を1ヵ月以上継続させ、ユーザーに勝ち体験を多く積ませることで定着させていきましたが、標準的な利益率のホールでは難しいと思います。
20円パチスロの標準的なコイン粗利は35~37銭ですが、高単価機で50銭前後の粗利を確保することで、ジャグラーやバランスタイプのAT機を甘く運用することができます。しかし、高単価機種を赤字運用してしまうと、パチスロ全体で25~30銭ほどの利益しか残らず、利益率は10%を下回ります。その利益率で我慢できるホールは限られており、自ずと『ヴヴヴ』で集客できたホールは少なかったということになります。
高単価機種を高稼働させるためには、出玉による薄利運用が重要となりますが、どのホールでもできる運用ではありません。そこで、最低限これはやっておくべきというポイントを6つ解説します。
①高単価機種をまとめて配置する
高単価機種を1つのグループとしてまとめ、同時に回遊性を高めるために、コーナー展開しましょう。その中でしっかり設定運用していくことで、総台数が少ないホールでも高単価機種に期待感を持たせることができます。
②目立つ場所に配置する
目立つ場所に設置することで、何を打とうか迷っているユーザーや、一発逆転を狙うユーザーに訴求しましょう。
③イベント時に必ず設定6投入
イベント時には必ず高単価機種に設定6を投入し、まずは高稼働する状況を見せる必要があります。全機種設定6は難しいと思うので、1機種全6など、インパクトのある投入を行えば、必ずユーザーは反応してくれます。
④高単価機種のどれかに毎日設 定6があることを告知する
高単価機種は見返りも大きいですが、投資も嵩むため遊技ハードルは高いです。そのハードルを少しでも下げるため、しっかりオススメ機種として告知しましょう。継続することで、ユーザーの遊技選択肢に高単価機種が入ってきますし、安心感も与えることができます。
⑤出玉ランキングを活用する
高単価機種に高設定が入っているかどうかの印象は、やはり出玉ランキングの数値が重要です。特に万枚OVER機種が多いほど、ユーザーはより反応します。
⑥データ表示器の歴代最高獲得 枚数を意識する
目立つ場所に設置した高単価機種のデータ表示器で、歴代最高獲得枚数に万枚OVERが並んでいればベストです。この枚数が少ない台に優先的に高設定を投入し、獲得枚数の底上げを行っていくことを推奨します。
これら6つのポイントなら、無理なく実行できるはずです。是非参考にしてみてください。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。