11月21日よりスマスロ導入が開始されました。回復傾向のパチスロが安定・成長軌道に乗れるかは、スマスロがパチンコミドルに流れたユーザーを取り戻し、パチスロに定着させる事が出来るかが大きく影響すると考えられます。今回はスマスロ導入でユーザーの回遊はどの様に変化したかを確認し、今後の展開を考えます。
(文=三輪勝治/エムシック代表取締役)。
下に、ユーザーの6号機AT/ARTと、パチンコミドル・ライトミドルとの流出入状況を示します。
上図の通り、11月にミドル・ライトミドルとも6号機AT/ARTに流入しており、その要因がスマスロ導入であることは明白です。
パチンコに流出していたパチスロユーザーが、6.5号機導入以降パチスロ遊技に戻り始め、スマスロ導入によりこの流れが更に促進され、パチスロ市場回復も一歩進んだと考えられます。
しかし、この流れが安定すると考えるのは早計です。
スマスロは物理的に『メダルなし』、スペック的に『有利区間ゲーム数制限なし』といった分かり易い違いが有り、新機種に飛びつき易いパチスロユーザーが、導入期に遊技するのは当然と言えます。問題は、特にミドルから流入してきたユーザーがパチスロに定着するか否かです。
6.5号機以降、P⇒Sの流れが徐々に浸透したのは、パチンコミドルが多くの利益を負担した事でミドル主要機の勝率が低下した事と、「カバネリ」「鬼武者」など、6.5号機主要機が勝金額は2万円弱とミドルに劣るものの、30%以上の安定した勝率でパチスロユーザーが定着し始めた事に因ります。
しかし、今回導入されたスマスロ、特に「Lヴァルヴレイヴ」「Lバギ」は、勝金額こそ5号機主要機種並みな一方で、勝率は30%を切っており、評価され始めた6.5号機の特徴『勝金額はソコソコだが勝率は高め安定』と真逆の特徴を示しています。
ここで認識しておくべき事は、5号機「ハーデス」「ゴッド凱旋」はハイリスクハイリターンと言われ勝金額が大きいイメージですが、実は勝率も30%以上だった事です。
現在のスマスロは、低設定でも『差枚数方式による一撃性』という特性により、ユーザーはハイリスクハイリターンで大きく投資していますが、勝率が上がらなければ投資が続かなくなり、リピート遊技出来なくなるユーザーが増え、ある時点で稼働も急降下といった可能性も否定できません。
スマスロは現時点では低設定運用だと想定され、それ故の低勝率とも考えられますが、スペック的に高設定を入れる難易度は高く、設定・リセット等様々な運用でどれだけ勝率を上げられるかが長期運用のカギとなります。
また、スマスロの勝率を上げることが困難であれば、スマスロで集客したユーザーを自店の6.5号機主要機種や、パチンコで勝率の上がる機種へと回遊を促進し、店舗へ定着させる施策を打つことも想定すべきと考えられます。
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三輪 勝治
㈱エムシック代表取締役
1985年立教大学法学部卒業。パチンコ業界大手周辺機器メーカーに勤務。遊技台情報公開システム、情報ネットワークシステムの開発に携わる。退職後、One To One顧客管理システムの開発・販売会社設立に参加。業界初の顧客遊技履歴データネットワークシステムを立ち上げる。システム開発、セミナー講師、等幅広く活動。2016年10 月株式会社エムシック設立。