遊技産業健全化推進機構が集計している機構の趣旨に賛同する登録店舗数が8月29日、ついに8,000店舗を割り込んだ。今年1月末の経過措置満了以降のパチンコ店の閉店ラッシュに、依然として歯止めがかかっていない状況だ。
機構登録店舗が8,000店割れ
遊技機および周辺機器の不正改造根絶を主たる目的とする同機構に対し、全国ほとんどのホールは、不正排除活動の趣旨に賛同する「誓約書」を提出している。
この誓約書を提出していない店舗に対しては、メーカーや販売商社による遊技機販売が原則行われないことから、多少のタイムラグこそあるものの、この機構の趣旨に賛同する店舗登録数は、ほぼ最新の営業店舗数を表す実数値と見られている。なお、この同機構への誓約書提出ホールについては常時公開されているものだ。
今回、8,000店舗を割り込んだのは、登録ホールが7,999店舗を表した8月29日。その後月末までの2日間で、さらに12店舗が減少し、7,987店舗となった。
今年1月末の経過措置満了に伴い顕在化してきたこの閉店ラッシュは、年初の月100店舗ほどのペースから見れば、やや鈍化しているものの、依然、底が見えない展開にある。
とくにこの数ヵ月は、中規模チェーン店の倒産や、数十年単位で営業を続けてきた店舗の閉店が相次いだ。閉店に至る店の規模も、これまで比較的多かった小規模店の枠に留まらず、中規模店にも及んできている。
都内のホール関係者は、「これから新たな設備投資がどんどんかかることを考えれば、業績の上積みが想定できない限り、傷口を広げないうちに見切りをつけざるを得ないのだと思う。特に、都市部の賃貸物件で営業しているところは、規模に関わらず、厳しい状況が続いているのではないだろうか」と見ている。
また、決して大規模店といえども、安心できないという別のホール関係者は、「夜稼働が見込める都市型店のメリットは大きい。しかし、客数をそれなりに確保しなければ、高い賃貸料を補えない。実際、都市部で営業している大型店のなかには、引くに引けなくなっているケースもあるだろう」と考える人もいる。実際、営業権売却にこぎつけた法人はまだマシで、買い手が付かないまま閉店というパターンも多く、縮小均衡の着地点はいまだ見出だせていない。