負債総額約67億円を抱え、民事再生手続き開始の申立てを行ったパチンコメーカーの高尾は6月1日、名古屋市のTKPガーデンシティPREMIUM名駅西口で債権者への説明会を開催。民事再生手続きの経緯や予定、今後の取引について話した。
カイジシリーズのヒット等で知られる同社は長年、パチンコメーカーとして事業を続け、2015年には過去最高の売上である204億6,300万円を計上するなど成長を続けてきた。しかし2018年、「CR弾球黙示録カイジ HIGH&LOW 319Ver.」の販売に関する問題以降、売上が急減し、2019年12月期の売上は前期比約38%の75億6,100万円に減少。さらにコロナ禍による業界環境の悪化もあり、直近の2021年12月期は47億9,100万円にまで業績が悪化した。そのため資金の目減りが続き、資金繰りの目処がつかない事態となったことから今回、再生手続き開始の申立てに至った。
民事再生の申立ては5月30日に行い、同日、東京地裁が弁済禁止の保全処分を決定した。処分の決定により、今年5月29日までに発生した債務に対する支払いが、10万円以下の債務や従業員への給与支払いなど一部を除き、禁止された。
一方、5月30日以降に発生する債務は、同社が今後、民事再生手続き化での資金繰りを維持し確実な弁済を行っていくため、支払いを継続する。
今後は、民事再生の申立てから1週間程度で裁判所が再生手続き開始を決定。申立てから3ヵ月後を目途に同社が再生計画案を裁判所に提出した上で、再生手続決定から5ヵ月後を目途に債権者集会を開催。再生計画案について債権者の過半数の賛成が得られれば、裁判所が再生計画の内容について適法性をチェックした上で、再生計画を認可する。