完全6号機時代になって、『ジャグラー』シリーズの重要度はさらに増しています。今回はその中でも定番中の定番『SアイムジャグラーEX』の運用方法を解説します。稼働を上げるための設定は何でしょうか?(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)
6号機時代突入で
設定運用は変わる?
2月から完全6号機時代に突入しました。パチスロの稼働が伸び悩む中、『ジャグラー』シリーズに関しては、稼働面で5号機『ジャグラー』シリーズと同等の水準になってきました。やはり、6号機時代になっても、ジャグラーからパチスロ営業を組み立てる事が必須であることがいえます。そこで今回は、『SアイムジャグラーEX(以下、Sアイム)』にフォーカスして、稼働を上げるための設定運用について考えてみましょう。
さて、弊社では5号機当初から、ジャグラーの設定配分は“いかにREG回数を上げるか”をテーマに、各機種の設定毎のBR比率に着目し、使用すべき設定を絞り込んできました。ジャグラーのプレイヤーには「REG比率が高い台=高設定」という認識が既に浸透しており、REG比率を高めることが稼働アップの近道となります。6号機のジャグラー3機種の各ボーナス確率、BR比率は下図の通りです。
『Sアイム』の推奨設定は設定1、設定3、設定5で、5号機『アイムジャグラーEX』から不変ですが、5号機が撤去された2月以降、その設定1、設定3、設定5の投入比率を変えることで好結果が出ているホールも多いと聞きます。今回はその運用方法を解説していきます。
5号機『アイムジャグラーEX』が残っているときは、スペック部分でどうしても見劣りしてしまう『Sアイム』の稼働状況は、正直厳しかったです。その時期に利益を取ってしまうと稼働はどんどん低下していくため、稼働を維持するためには、ほぼ利益の残らない薄利運用が必要でした。また、ボーナス獲得枚数が多かった5号機『アイムジャグラーEX』との出玉感の差も大きく、その差を埋めるためにも『Sアイム』では、設定1、設定3、設定5のうち「設定5」の投入比率を上げるような設定配分を組んでいました。
例えば10台なら、
「設定1:4台、設定3:3台、設定5:3台」
「設定1:5台、設定5:5台」
のように、「設定5」の投入台数を増やすために、設定1の比率が上がることも厭いませんでした。「設定5」は高稼働するため、「設定5」の投入比率を高めれば、『Sアイム』を高稼働させることが出来ましたが、それでは利益を残すことが出来ませんでした。
ところが、5号機『アイムジャグラーEX』の撤去後から明らかに潮目が変わり、『Sアイム』の稼働はどんどん上がりました。そして、稼働の上昇とともに、従来までの設定1、設定3、設定5の投入比率では、稼働をロスしてしまう可能性があることが分かってきました。ただし、「設定1」は稼働が伸び悩むため、稼働上昇の局面では「設定1」の投入比率を減らすことで全体稼働を伸ばせることは従来同様です。
「設定1」の比率を減らしたうえで、変わらぬ利益を確保するためには「設定5」の比率も下げざるを得ません。そう考えるならば、自然と「設定3」メインの設定配分に切り替える必要が出てきます。それこそが、弊社では最適解だと考えています。極端な例にはなりますが、『Sアイム』は“ALL設定3”で運用すれば、稼働は安定する結果になります。もちろん、日々の結果から還元したい場合には「設定5」を使う必要があり、反対に利益を確保したい場合には「設定1」を投入する必要はあります。が、現状、「設定3」の比率を高めた設定配分が大きな効果を発揮しています。
例えば10台なら、
「設定1:2台、設定3:7台、設定5:1台」
「設定3:10台(全設定)」
のようなイメージです。
高設定狙いの受け皿は
『マイジャグV』『ファンキー2』で
「設定3」の比率を高めた設定配分で運用する場合、高設定狙いのユーザーは離反する可能性が高いです。この客層が離れることで、年配層の定着率が上がり、稼働が安定するといった効果もありますが、高設定狙いのユーザーの受け皿は必要です。そこで活用すべきなのが『SマイジャグラーV(以下、マイジャグV)』と『Sファンキージャグラー2(以下、ファンキー2)』です。
『マイジャグV』『ファンキー2』に高設定狙いのユーザーが流れて、客層の棲み分けが出来る状態がベストですが、ある程度の台数を保有していないと受け皿として機能しないため注意が必要です。『Sアイム』の台数と『マイジャグⅤ』+『ファンキー2』の台数が同等以上の場合なら問題ありません。
しかし、例えば『Sアイム』が50台、『マイジャグⅤ』が10台しかないような場合は、高設定狙いの受け皿としては台数が少ないですし、『Sアイム』を設定3メインで運用すると、そこにいた高設定狙いのユーザーが他店に流れてしまう恐れがあります。
実際に、『Sアイム』のみ設置しているホールで「ALL設定3」の設定配分を一定期間試したところ、稼働の向上は見られず、以前のように設定1、設定3、設定5での運用に戻したところ、稼働の上昇傾向を見せました。やはり営業のアクセントとして高設定は必要です。『マイジャグV』『ファンキー2』でメリハリのある設定運用をするからこそ、『Sアイム』は設定3をメインとした設定運用で安定稼働することを覚えておいてください。
今回は『Sアイム』について、「設定3」を活用しましょうというお話でした。「ALL設定3」からの足し算、引き算で「設定1」と「設定5」を投入する、設定配分の考え方がシンプルで分かりやすいことも、「設定3」メインの配分の優位性です。また、実際の出玉率も「設定3」でほぼ100%あるので、利益を取りたい分だけ「設定1」、還元したい分だけ「設定5」を投入する運用方法はシンプルで分かりやすいといえます。是非、参考にしていただければ幸いです。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。