ダイコク電機は7月3日、「DK-SIS白書2020年版」の刊行記者会見をZoom上で開催した。それによると、2019年の市場規模は総売上20兆円(前年比0.7兆円減)、総粗利3.24兆円(同0.14兆円減)となり、売上、粗利共に下落傾向は続いているとした。
総売上の内訳はパチンコ9.8兆円、パチスロ10.2兆円。同社が統計を開始して以来初めてパチンコの業績をパチスロが上回った。そのほか、詳しい概要はDK-SIS室の片瀬宏之室長が解説した。
パチンコでは全体(低貸含む)、4円パチンコともにアウト、粗利が微減。特に4円パチンコにおいては「時間粗利」が前年の1,140円から1,150円に増加。これの意味するところは遊技客から「粗利を取っている=絞っている」こととなり、片瀬氏はこの状況を変えないことには4円パチンコの業績回復はないとした。
一方、パチスロでは長年続いていたアウトの下落傾向に歯止めがかかり微増。20円パチスロにおいても同様の傾向がみられた。タイプ別では6号機のほとんどがATタイプであることから、20円ATのシェアが大きく増加。しかし、業績は伴わず下落した。片瀬氏は「パチスロ市場全体でみるとパチンコよりも良かったが、6号機の業績が良くならないことには根本的な回復にはならない」と付け加えた。
また、片瀬氏はこれからの業績回復の好材料としてパチンコの「遊タイム」搭載機を挙げ、「主要な旧規則パチスロが撤去されて迎えた今年1月は、パチスロよりもパチンコの方が業績が良かった。今後もそうした状況が何度か訪れることから、その時々で良い新規則機を購入し、ファンをつけていくことができればパチンコの業績回復に弾みがつくのではないか」と、遊タイム搭載機への期待感を示した。
記者会見で挨拶した同社の大成俊文常務取締役は、「DK-SIS白書は2004年の創刊から今回で17冊目の発刊となった。毎年様々に変化する業界において、戦略を決定するには過去のデータを参考にすることも重要。今回のDK-SIS白書2020年版も、ホール経営において適切な判断をする上で必ず役に立てると考えている」と挨拶した。