同報告書では2012年から2018年7月末までの6年半の間に認知したゴト事案を掲載。同期間中に認知した不正改造ゴト事案は9社延べ28機種、台数にして1,516台に上る。調査期間中にゴト事案を認知した1,516台のホール被害額は約280億円(※)と推計されている。
不正改造ゴト事案は、遊技機の内部に不正な改造を施すもので、サブ制御基板における不正ROMとの交換、同基板のRAMの改ざん、その他不正部品の取り付け等によるものだ。サブ制御基板の不正改造ゴト事案ではケースの金型をつくり、ケースを偽造するものやGPSを仕込むといった手口も見られるという。これらはある特定の打ち方をすることで大量の出玉を獲得できるプログラムが仕込まれており、仕込む側と打ち子側との分業になっている可能性があるとしている。
ゴト被害に遭う機種は販売台数が3万台を超える人気機種がターゲットにされている傾向が強く、新台・中古で見ると直近2~3年は中古機での被害が大半を占めている状況だ。同報告書では犯行手段等を掲載し注意を促している。
ゴト事案への今後の対応としては「不正改造ゴト事案とその被害についての業界の情報共有」、「被害の重大さのアピール」、「積極的な被害申告・被害届提出」、「不正改造機の流通経路の調査等の対応」、「ゴト犯罪者やその協力者に対する厳しい追及」、「ゴト犯罪者やその協力者の業界からの恒久的な排除」、「中古台の流通健全化の検討」、「倉庫等のセキュリティ対策の強化」、「警察による犯罪組織の検挙」の9項目を挙げている。
※1,516台の不正改造機が、1日1台あたり2,500枚搾取され、発覚までの日数を1年と推定した場合の推計値(2,500枚×20円×1,516台×365日)。