同事件は、長崎県佐世保市内のソフト会社役員ら8名がエルイーテック製の遊技機用の偽造ロムを製造していたとして逮捕されたもので、同市や神奈川県など3ヵ所の密造工場から偽造ロム約1万2000点のほか、関連資料も多く押収されたことが分かっている。
若田課長補佐のこの指摘はこの点を踏まえたもので、「本腰を入れる必要がある」と言明していたことから、偽造ロムの流通経路に関する確度の高い情報を当局側が掴んでいる公算は大きいと思われる。
一方、注目の規則改正については、1月30日交付、7月1日施行というスケジュールが確定。結果書交付(保通協通過)から検定申請をおこなうまでの間に7月1日の施行日を迎えた場合、その検定有効期限も施行日から3年間とする方針を明示した。
結果書交付は保通協の型式試験に持ち込み、公安委員会に検定申請を行う前段階に該当するが、結果書の有効期間も3年間のため「最大で3年間寝かすことができる」(同)仕組みになっている。ただ、これだと旧基準の検定申請が新規則施行後から最長で3年後までに延長され、検定有効期間とあわせると、保通協通過から実質6年間市場に残る可能性が排除できないことになる。したがって結果書交付が施行日後になる場合は、これに関する検定有効期間も一律に施行日から3年とする狙いだ。検定の申請から公示が施行日をまたぐ場合は、施行後の公示日から3年となる。
また若田課長補佐は、施行前に検定を取得した機械に関する施行後の許可および変更承認を認める経過措置を説明。その場合の設置有効期間も、検定公示日から3年間となると補足し、認定についてもこれを準用する考えを示した。
焦点のみなし機の扱いについては、現在全日遊連が進めている設置台数等の調査結果を待って最終的に判断したい方針が示されたが、同日、若田課長補佐は、「(射倖性を一定の範囲内に抑えることと不正改造の防止を目的とした)今回の改正の趣旨を曲げない範囲内で対応したい」と、射倖性の低い風適法の精神に完全に合致している一部みなし機については、救済措置を検討する考えを示唆した。
さらに若田課長補佐は、新規則で明文化された販社および法定優良店舗(特例風俗営業者)主導による許可・変更承認・認定申請に関連して、「問題はパチスロ機。法令上は中古パチスロ機についても皆様方販社主導でできることになっていますが、実際の運用方法については、6団体による中古機流通協議会の決定を尊重し、その行方を見守っていきたい」と述べ、施行後の中古パチスロ機をただちに販社主導に切り替えるかについては、なお慎重な姿勢で臨む方針を示唆した。
平成12年6月1日以降、中古パチンコ機に関する変更承認は、それまでのメーカー主導から販社主導にすでに切り替わっているが、中古パチスロ機は不正改造防止に不安を残していることを理由に、現在もメーカーが発給する「保証書」を軸に流通している。