この問題で全日遊連がもっとも強い関心を寄せるのは、当該メーカーのミズホを傘下に収めるアルゼの初動対応。対策基板の交換を「無承認で行おうとした」(山田理事長)、いわゆる「無承認変更の教唆」に関する疑義がもたれている点だ。無承認変更で処罰を受けるのはパーラー側であるだけに、8月7日に開かれた緊急理事会では、場合によっては訴訟も視野に、今回の問題を引き起こした当事者責任を徹底的に追及する方針を全日遊連は決議していたが、訴訟に踏み切るかどうかの判断はこの調査結果しだい、というのが同日の説明だ。調査項目の全容については明らかにされていない。
一方、訴訟の具体的な中身について席上では、「(無承認変更の教唆に対する)刑事告発も検討していると聞いているが…」との質問が飛んだが、これに対し山田理事長は、「それも一つの法的手段としてはあり得る。ただし我々の主眼は、あくまで一連の問題でアルゼ側がとった企業姿勢を厳しく追及しつづけることにある。そして、これを契機にアルゼだけでなく、すべてのメーカーに再発防止を強く呼びかけるとともに、従来の不合理な商慣習の是正にもつなげていきたい」と述べ、「抱き合わせ販売」に代表される業界特有の商慣習の抜本的な解決にも弾みをつけたい考えが示された。
また、攻略法発覚で島閉鎖に追いやられたパーラーに対する損害賠償について山田理事長は、一定の補償枠獲得を目指したい点に触れながらも、「しかし、その内容に納得できないパーラー企業も出てくることだろう。その後、損害賠償訴訟に踏み切るかどうかは個々の企業の判断になると思う。ただし、我々の主眼は、繰り返すが同社の企業姿勢を問いつづけることにある。訴訟同様、損害賠償もその過程の一つの手段にすぎない」と強調した。