【コラム】インバウンド向けパチンコ機は浸透するのか?

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今週から導入開始となった『e 新世紀エヴァンゲリオン 〜はじまりの記憶〜』では、インバウンド対応として英語字幕や英語のパチンコ遊技説明ムービー等が新たに搭載されています。

またフィールズ公式のXでも「How to Play Smart Pachinko」と題して、12月22日に登場する新台『e 新世紀エヴァンゲリオン 〜はじまりの記憶〜』の英語の取扱説明書とゲームストーリーの英語字幕を搭載しているという案内を英語にてポストしています。
参考:https://x.com/Fields_Fan/status/2000499168461402580

今回は、訪日外国人に向けたパチンコの新たなる取り組みについて言及していきたいと思います。

私もいつから対応し始めたかは記憶が定かではありませんが、今から10年以上も前に京楽産業.が英語を含む4か国語対応の遊技機を断続的にリリースしていた記憶があります。

また、北電子は初めてのパチスロ講座というタイトルで今から11年前にYoutubeに9ヵ国語に翻訳した動画をアップしたり、《マルハン新宿東宝ビル店》は2015年4月24日に同社として初めて訪日外国人への配慮をしたインバウンド対応型店舗としてプレスリリースも出しており、英語、中国語、韓国語に対応したパチンコガイドブックの常備や外国語可能スタッフの配置等をアピールしたこともありました。

かくいう、弊社も2021年3月に「初めてのパチンコ 遊び方編 」という動画を8ヵ国語対応を行い、Youtubeにて公開しております。
参考:https://www.youtube.com/watch?v=SNArYFM3ELM

しかしながら、今現在、パチンコホールにおいて訪日外国人がパチンコやパチスロを打っている姿というのはそれほど多く見かけません。都内の一部店舗においては、訪日外国人観光客がウロウロしている姿を見かけることは間々ありますし、一部例外的に多くの訪日外国人観光客にて溢れるホールがあるのは承知はしておりますが、全国的にはほぼ日本人しか見かけないのが現状です。

一方、訪日外国人観光客の数は、10年前よりも爆発的に増えているのは皆さまご承知かと思います。観光庁のデータによると、2011年は約622万人だったのに対し、昨年の2024年では約3,687万人とひと昔前からすると数倍にも増えており、2025年においても11月までの累計で約3,906万人と既に過去最多を更新しております。

観光立国として更なる目標を政府としては掲げており、オーバーツーリズム(観光公害)等の問題は指摘されたりしているものの現在のところはその方向は変わらないものと思われます。

その中において、今回の『e 新世紀エヴァンゲリオン 〜はじまりの記憶〜』は一つの良いキッカケになると私は考えております。エヴァンゲリオンという外国人人気も高いコンテンツであり、今の市況においても多台数設置されるという稀有な台(シリーズ)です。

過去、多くのメーカーやホールが積極的に挑戦してきたインバウンド対応ですが、なかなか継続していくのは難しい状況もありました。しかし、今現在は国を挙げて訪日外国人を積極的に誘致している現状の中、今こそインバウンドに対して真摯に取り組むべきではないでしょうか。

今回、フィールズとSANKYOがタッグを組んだ『e 新世紀エヴァンゲリオン 〜はじまりの記憶〜』にて、今の時代だからこそ英語対応をしたのは意義があると感じておりますし、これで終わってはいけないと考えます。

今回の件がキッカケとなり、また各メーカーがそれぞれの機械で対応を始め、ホール側も積極的にインバウンドに取り組んでいくことがパチンコパチスロを盛り上げていく一つの大きな施策になるのではないでしょうか。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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