【コラム】パチスロ射幸タイプ別シェア実績から読み解く営業戦略の最前線

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時期的な要因もあり現在(10月末時点)、パチスロ市場全体の稼働が約7%低下していますが、今回は各射幸帯における実績傾向に注目します。

射幸帯別の実績の把握は営業戦略において重要です。今回、今年3月と9月のデータを比較し、各射幸帯の動向と営業的示唆を考察します。

①高射幸タイプ【営業貢献度に変化】
全体的に実績の低下傾向が見られました。粗利シェアは6ポイント以上減少しましたが、設置比率を8・7ポイント上回る粗利貢献の強さを維持し、営業主力帯としての地位は揺らぎません。

②中射幸タイプ【安定成長】
設置比率1・3ポイント増、平均粗利3・5ポイント増と堅調に推移しています。設置比率は低射幸タイプに8ポイント劣るものの、粗利シェアは1ポイント差まで接近し、安定性と成長性を兼ね備えた今後の主軸候補として注目されます。

③低射幸タイプ【堅調維持】
ジャグラーを中心とする当帯は設置比率・稼働シェアともに横ばいで推移。稼働値の減少幅も平均的でトップクラスの稼働水準を維持しています。粗利シェアも2・9ポイントの増加で、安定収益源としての役割は健在です。

④低―中射幸タイプ【伸び悩み】
平均粗利1・2ポイント増、粗利シェア0・2ポイント増とわずかに改善が見られるものの、営業貢献度は依然として限定的です。

⑤中―高射幸タイプ【停滞】
平均粗利が21ポイントの大幅減、粗利シェアも1ポイント低下と厳しい結果に。設置比率に対する粗利ギャップも縮小し、構成の再検討が必要な局面にあります。

今後の営業戦略ですが、「低射幸タイプ」を土台に、成長性のある「中射幸タイプ」を中心に据え、稼働の底上げを図ることが有効と考えられます。

そして、粗利貢献度が最大の「高射幸タイプ」の設置効率を見直し、粗利の最大化を目指すべきでしょう。

収益の安定には継続的なデータ監視と実績構造の把握、変化に即応する分析・営業対応力の両輪が求められます。

◆プロフィール
中野大輔
㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長
大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカーの開発支援で実績を上げており、開発戦略参画から製品企画・評価検証まで多岐に活躍。

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