同社は6月8日、2015年3月に実施された同社子会社の香港法人Tiger Resort Asia Limited(TRA)から第三者への貸し付けが、適正な社内決裁を経ずに、当時岡田会長が取締役(Director)を務めていたOkada Holdings Limitedに不正に流出した疑義があるとして外部専門家で構成する特別調査委員会を設置していた。同委を通じたその後の調査で、新たに2件のガバナンス違反の疑義が見つかり、いずれも岡田会長がかかわっていた可能性があると指摘している。
1件は2014年2月にOkada Holdings Limitedが韓国で借り入れた8,000万米ドル(約89億円相当)をめぐるもの。当時Okada Holdings Limitedは韓国にOkada Holdings Koreaを設立。韓国の土地取引交渉を進めていたという。Okada Holdings Limitedが金融機関から借り入れた8,000万米ドルは、ユニバ社の100%孫会社であるUniversal Entertainment Korea co.,ltd(UE韓国)が融資元の金融機関に保有していた8,000万米ドルに担保権が設定される形で進められた。しかしユニバ社では、「当該担保権は、同年3月31日に解除されましたが、Okada Holdings Limitedが支払うべき同金融機関に対する利息金約17万米ドル(約1,888万円相当)に見合う金額がUE韓国から出金されています」と指摘。担保権設定等に際し、ユニバ社において必要な社内手続きがとられていなかったと指摘している。
もう一つは岡田会長が2015年5月11日に前出の香港法人TRA社から振り出した1,600万香港ドル(約2億2,700万円相当)の名宛人無記名の小切手をめぐる疑義。ユニバ社では3日後の5月14日になって岡田氏が当該小切手に基づいてTRA社の銀行口座から1,600万香港ドルを取得したと指摘している。
当初、特別調査委員会の中間報告書は6月30日が予定されていた。しかし2件の疑義が加わり計3件に増えたことからユニバ社では、再度検討のうえ、変更がある場合は改めて発表するとしている。