同日、世田谷区役所で寄贈式が行われ、南組合長は、「我々が平成元年から暴力団排除に取り組んだ際、暴力団や右翼団体の激しい抵抗があったが、地域の皆様の応援によって暴力団を断ち切ることができた。なんとか地域の皆様にお礼をしたいとの思いがあり、平成5年から車両を寄贈させていただいている。今回も寄贈できたことに感謝したい」と挨拶した。
世田谷区の保坂展人区長は、「今回で50台に到達した。平成5年から長年にわたって、ご寄付をいただいていることに心から御礼を申し上げる。これまで寄贈された車両はそれぞれの福祉施設で大切に、貴重な移動手段としてありがたく使われている」と謝辞を述べた。
このたび寄贈した車両は、マツダ「フレアワゴン」とダイハツ「アトレーワゴン」の2台。いずれも車イス用のスロープが装備されている。
車両は当日、世田谷区から社会福祉法人日本フレンズ奉仕団が運営する「デイ・ホーム中丸」と、特定非営利活動法人「ハンディキャブを走らせる会」に贈呈された。
デイ・ホーム中丸は、地域の生活拠点の一つとして、認知症高齢者への食事、入浴、余暇生活、学習療法等のサービスを提供している高齢者在宅サービスセンター。フレアワゴンが贈られ、日本フレンズ奉仕団の飯田能子理事長は、「高齢者一人一人の状況にあわせたサービスの提供が求められている中、性能のよい車両をいただき、感謝したい」とお礼を述べた。
ハンディキャブを走らせる会は、昭和60年から高齢者や障害者など移動が困難な人たちの外出を福祉車両の運行で支援している。同会にはアトレーワゴンが贈られ、碓井英一理事長の代行として挨拶した鬼塚正徳氏は、「世田谷区内には交通空白の地域がたくさんある。そうした中で北沢組合様をはじめ、支えてくれる人たちがいることは心強い」と述べた。