同財団の設立は1996年8月。ダイコク電機創業者で当時社長だった栢森新治氏(現・同社相談役)が社会貢献の一環として3年前の93年から開始していたダイコク電機主催の『DKフォーラム』が前身になっている。
DKフォーラムの開始は当時名古屋大学教授だった福村晃夫氏からの提案がきっかけ。福村氏の提案は「愛知県は情報やエレクトロニクスの産業に弱い部分がある。アカデミックな研究機関を作ったらどうか」というもの。これに賛同した栢森新治氏が当時発展途上にあった人工知能を中心とした情報科学分野における若手研究者の育成および基礎的・萌芽的研究支援を目的にDKフォーラムを開始した。
同財団の所管は文部省(当時)。文部省所管の財団の中で情報科学に関する研究助成を目的とする財団第1号に位置づけられる。なお財団設立後も『DKフォーラム』は『Kフォーラム』と名を変えて継承されている。
同財団が設立から20年間で実施した研究助成は、計477件・総額4億3,330万円。フォーラム・シンポジウム開催に対する助成は計108件・総額3,415万円に達する。この間、2000年3月に特定公益増進法人(文部省所管)に認定されたのを皮切りに、2004年6月には「特許法第30条第1項に基づく学術団体」指定を特許庁が承認。さらに2010年には内閣府より公益財団法人に認定された。
またロボットサッカー世界大会では1997年の第1回名古屋大会から支援を継続するなど、人工知能の発展に寄与している。
記念事業では初日5日は大学や研究機関から人工知能の研究を牽引する教授や研究者による4つの講演が開かれ、翌6日は人工知能をテーマにしたパネルディスカッションが開催された。