この新ユニットは全日遊連が基本設計したカード等の媒体を一切不要とした従来のカードシステムとは別の新たな「INのクリア」システムの中核を担うもので、製造は全日遊連のこの提案に賛同した業界の周辺機器メーカー13社らが担当。売上データ管理センターのフレームについては、この13社で組織される有限責任中間法人・電子認証システム協議会(認証協)が構築にあたっていたが、同日の会見ではセンターはすでに半年前からいつでも稼働できる状態にあることも明らかにされた。認証協はデータ管理センターの運営には直接的にはタッチしない方向だ。
保通協での検査は、「あと1?2週間で終えることを期待している」(全日遊連・山田茂則理事長)という状況で、検査終了後は全国の各公安委員会に結果書が通知されると、旧要件CR機も含めたすべての機械に新ユニットを接続できることになる。
現金仕様の新ユニットを用いたこのシステムの名称は「iクリアシステム」。すでに先週の時点で、国内最大のセキュリティ監査機関である「電子商取引安全技術研究所」(ECSEC)の認定を受けている。
ECSECの監査は、システムの根幹を担う電子認証という売上捕捉技術の精度を確認する目的から実施されたもので、席上では、「ユニット単位の金額関連情報の捕捉およびデータセンターまでの送信における金額関連情報の完全性を保持する上で十分なものであることを確認した、とのECSEC側の報告を受けた」(山田理事長)と説明された。
システムのランニングコストはまだ確定していないものの、「組合員価格として月額ユニット1台あたり100円以下を要望している」(山田理事長)と述べ、非組合員(アウトサイダー)より割安に設定するよう認証協側に働きかけていることも報告されたが、初期導入コストについては、「まだ正式にははっきりしていないが、従来のカードシステムより高くなっては意味がないと思う」(同)と述べ、従来より安く導入できることへの強い期待感を表明していた。
システムに必要とされる機器は、ノズル式新ユニットのほかに、サーバ機能をもったDAルータと、DAルータとのデータ中継装置に該当するHUB(1島に1台)、ユニットのストッカーなど。また高額紙幣対応システムや会員システムへの対応を希望する場合は、会員の個人認証を行うビューワー、預かり金返却機が別に必要とされ、こうした機器についてはすべて購入が求められるとの説明だ。
一方、認証協では現在、新たに1社から入会の打診を受けている模様で、近く正式入会が承認される見通しで、計14社になる模様だ。
なお、未来型パチンコ産業創生会議は、各種提言を行う全日遊連の諮問機関の役割を担うほか、売上データ管理センターへの税務当局等公的機関の開示請求に対し、可否判断を行う第三者機関にも位置づけられている。