アルゼ、初動対応の疑義は「誤解」と釈明

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 アルゼ(株)(岡田和生社長)は8月28日、東京・港区の同社東京営業所で記者会見を開催。先月7月中旬に発覚したパチスロ機『ゴールドX』の不具合をめぐり、同社のとった初動対策の一つに「承認変更の伴わない部品交換」が含まれていた疑義が指摘されている問題で、その疑義を全面的に否定した。しかし、そうした誤解を与えた責任が同社側にあったことを率直に認め、9月上旬から中旬が予定される型式の取り直しを待って、一連の混乱の収拾に全力で取り組む考えを表明した。会見には同社側から原田営業本部長、園田営業本部法人部長、相馬次長の3氏が臨んだ。

 同社から示された初動対策は、大きく(1)暫定対策、(2)緊急対策、(3)型式の取り直し、の3本があった。このうち問題とされたのは(2)緊急対策で、全日遊連、日遊協、同友会といった各業界団体は一斉に、「アルゼ側は承認変更を経ずにサブ基板の交換を行おうとした」と強く反発。全日遊連の山田理事長は、不具合が明らかになる7月16日夕方、アルゼ役員に直接電話で、「店側に迷惑が及ぶ恐れのある対策は即刻中止せよ」と伝えたことを明らかにしている。無承認変更で処罰の対象となるのはパーラー側。

 会見で原田本部長は、「あらゆる面から対策を検討したのは事実。しかし現実的にゴールドXについては、ただでさえサブ基板の不足によって出荷もままならない状況だった」と説明。これまでの対策が、変則打ち防止シールの配布に続き、8月5日に許可をとった液晶「左」画面を隠す「エックスマーク」シールの配布・貼付といった暫定措置にとどまっていることを明らかにした上で、「部品交換については一切行っていない」と強調した。ただ、「部品交換が当社側の一部担当者の個人的な会話の中で取り交わされた可能性がある」と述べるなど、疑義を与えた原因が同社側にあった点については率直に認める考えを示した。「エックスマーク」の貼付は許可を受けた8月5日直後から順次進められている。同マークの貼付には承認変更が求められるが、「神奈川県のように変更届けで受理される場合もある」(相馬次長)ようだ。

 (3)型式の取り直しのメドについては、「順調にいけば9月上旬から中旬」(同)になる見込みで、アルゼ側は最終的にこの取り直し機『ゴールドXR』との全面的な交換を目指す方針を明らかにした。また、これに関連し園田法人部長は、『ゴールドX』の代金を『XR』納品時まで受け取らない方針で対応していることも報告。「すでに代金を受け取ってしまったホール様についても返金している」と付け加えた。『X』の設置規模は約3万台。

 交換の具体的方法については、店側の負担を最小限にくい止める『XR』仕様のサブ基板との交換が最良との認識を原田本部長は示唆したが、「行政側の判断もあるため、最終的にどういう方法をとるかについては現時点では言明できない」と述べるにとどめた。

 一方、同日は、同社が新境地を開拓した「15インチ液晶」第2弾となる新機種『ビーストサップ』(A400?ST)の発表会見も行われたが、同社がかねて自主回収の方針を打ち出している『ミリオンゴッド』の一段の回収を推進するため、原田本部長は同機の代替機に同新機種を含めることに前向きな姿勢を示し、回収が条件である場合の販売価格については、すでに販売中の『ヤジキタドウチュウキX』を参考することに含みをもたせた。『ヤジキタドウチュウキX』は今回の不具合問題で急きょ新たに用意した代替機。同機についてアルゼ側は台当たり10万円引きの条件を出していた。『ビーストサップ』の価格は38万円。

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