これは2月10日、東京・池袋にある同社本店で行われた記者会見で正式に発表されたもので、年度末にあたる3月末までに仕入れ先等に抱えている旧ナコルの負債一切を清算、主力の周辺機器の開発を中心に事業を継続していく方針を明確にした。パチスロ機の製造部門も基本的に“継続”の予定だが、旧ナコルから引き続き代表取締役に就任した滝本仁安社長は、「全防連への再申請までは行いたい」と述べるにとどめ、その後の計画についてはこれから具体策を取り決める考えを示した。全防連への工場登録申請は8月を予定している。
今回の自主解散は同社を傘下に収めるナカバヤシ(株)(東証1部・大証1部上場)の方針によるもの。ナカバヤシでは昨年3月、連結企業の統廃合を進める計画を決めていた。
一方、同日の会見では、今年秋に予定される新紙幣切り替えに対応する新コインサンド『NM−5214/5215』『NM−5214N/5215N』も発表され、4月から販売を開始、年間3万台を目標とする考えが示された。
また新札対応に関連して滝本社長は、同社製の既設機器(台間玉貸機、台間メダル貸機、両替機)が約20万台稼働している点に触れ、「これについては改造で対応することになる」と説明。3〜7月に台間玉貸機および台間メダル貸機への対応を進め、両替機については7〜10月を順次対応するスケジュールを発表した。対応が段階的になったのは、5000円紙幣の新札造幣が当初予定より遅れることが明らかになったため。
今後の新製品にはついては従来どおりナカバヤシの松江工場を生産拠点とするほか、部品供給ではナカバヤシに加え、三洋電機(株)、長崎菱電テクニカ(株)、松下電子部品(株)の計4社と基本取引契約書を締結していることを発表した。
滝本社長は、「新生ナコルとして事業継続を決意したのもこの20万台にのぼる当社製機器への新札対応問題が残されていたため。市場を混乱させてはならないと考えた」と強調した。