アルゼ批判本の出版社社長、名誉棄損で逮捕

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 アルゼの経営手法などを批判した著書を発行したり、プロ野球の元球団職員を出版物やインターネット上で中傷していた鹿砦社の社長、松岡利康容疑者(53)が7月12日、名誉棄損の容疑で神戸地検特別刑事部から逮捕された。同日付朝日新聞夕刊など各紙が報じた。同紙では、「一般の書店で市販されている出版物の記事をめぐり、出版社の代表が同容疑で逮捕されるのは異例」としている。

 問題となった著書は03年4月に同社から発売された『アルゼ王国の闇』を皮切りに、同著を含む続編シリーズ4作。とくに2作目の『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』(03年9月発売)をめぐっては、名誉棄損及びプライバシー侵害に当たるとしてアルゼ側が提訴に踏み切り、発売直後の10月には、神戸地裁尼崎支部から出版差し止めの仮処分決定を言い渡されていた。

 一方、プロ野球の元球団職員の中傷記事では、98年に起こった同じ球団職員のビル転落死事件を同社が発行する季刊誌で取り上げる中で、元球団職員2名の実名を挙げながら、転落死した職員の殺害にこの2名の関与を匂わす記事を掲載。同じく名誉棄損の疑いがもたれている。

 ほかにも同社は98年に、人気アイドルグループ「SMAP」の紹介記事を所属事務所の承諾もなく雑誌から無断で引用したとして東京地裁から差し止めを受けたのをはじめ、芸能人やスポーツ選手を攻撃した“暴露本”を相次いで出版、出版差し止めを求める訴訟を起こされている。

 同紙によると、記事の内容をめぐって出版社が刑事責任を問われたのは、95年の月刊誌『噂の真相』の当時の編集長及び編集部員らが名誉棄損で東京地検特捜部に在宅起訴された例があるという。

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