機構の設立遅延について磯専務理事は、定款、(メーカーとの)契約書、立入了承を意味する誓約書の中身など、その骨子は決まっているものの、細部についてまだ団体間のすり合わせが完了していないと述べた上で、「各団体間で合意に達した文面がきっちり固まり、公正取引委員会の了承を得てからいよいよ機構設立ということになると思われるが、それまでにはなお時間がかかりそうな気配だ」と報告した。
公正取引委員会の了承が前提とされるのは不正行為が明らかになったパーラーに対して遊技機の販売を行わないペナルティが検討されているため。独禁法で禁止される「不当な取引制限」に抵触せずにペナルティが効果的に運用されるには、同法を司る公取委の了承が不可欠になっているためだ。また機構では恒常的な不正排除策を推進する立場からパーラーへの任意立入をその活動の中核に位置づけているが、誓約書は、それを受け入れるパーラー側の意思を確認するもので、誓約書の提出が任意立入の前提になっている。ただ誓約書の徴収には「周知期間が必要」(磯専務理事)なことから、「機構が設立しても、実際の活動(立入等)は誓約書を集めてから開始されることになる」(同)と述べるなど、活動開始時期についてはさらに遅れる見通しにあることを示唆した。機構の活動誓約書の提出のない場合もペナルティーの対象とされている。
一方、原田理事長自らの強い意向で計画が予定される「エンジョイ パチンコ・パチスロ キャンペーン」が遅れている理由について原田理事長は、「キャンペーン実施を決めた昨年12月の段階では低射倖機が潤沢に供給されるまで、それほど時間はかからないと思っていた。しかし、その後の関係先との折衝で、我々が思っていた以上に時間が必要とされることが分かった。肝心の機械がない状態ではキャンペーンは打ち出せない」と報告。ただ、本キャンペーンに対しは全日遊連を含め業界15団体からすでに賛意が示されていることや、キャンペーンを広く告知するためシンボルマークを一般から募集するなどの計画は進められており、低射幸性機「待ち」という状況にあることが明らかにされた。
またこれに関連して中谷事務局長からは、キャンペーンの一環として低射倖機の展示イベントを検討していることも報告され、「時期的には今年10月から12月ぐらいになると思われるが、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の全国5拠点に会場を設け、一般の人に参加を呼びかけるキャンペーンイベントの実施も考えている」ことが説明された。