この証券化は「エス・イー・シーアライアンス」に参加する会員パーラー企業を対象に銀行融資(間接金融)以外の低利な資金調達を目指すもの。同日のフォーラムでエス・イー・シーの大川社長は、可能なかぎり優位な融資条件の獲得を目指す観点から、「できるだけ大きな塊を作り上げたい」とアライアンスの規模拡大を図りたい方針を説明。会員パーラー企業には無料相談に応じるとともに、実際に証券化を行う場合は、会員パーラー企業とあくまでも個別に秘密保持契約を結び、会員間に競合関係があるケースなどに配慮、情報漏洩の防止に万全を期す考えを強調した。
今回の証券化融資を提案するに至った理由について大川社長は、すでに証券化が先行実施されている医療業界とパチンコ業界に類似点の多いことを挙げ、(1)どちらも市場規模が約30兆円、(2)直接一般大衆を顧客としている、(3)取引先の経営状態の心配がいらない、(4)潤沢なキャッシュが約束されている、(5)どちらも監督官庁の強力な行政指導の下で、経営の自由度が規制されている、などの具体的な項目を例示。
「医療機関の証券化は基本的にこれから見込まれるレセプト(診療報酬)が担保とされている。今回のパーラー企業に対する証券化の提案は、実は医療業界のレセプトをキャッシュフローに置き換えたところが出発点となっている」と補足した。なお大川社長は医療界ですでに証券化の実績を挙げている(株)医療機関綜合研究所の社長を務めている。
フォーラム終了後の懇親会の冒頭、後援企業を代表して西陣の沖真人代表が、「市場の縮小、規則改正に伴う規制強化、検定切れ遊技機の撤去など、業界を取り巻く現下の経営環境は極めて厳しいと言わざるをえない。そういう状況の中、証券化融資は、従来の資金調達に比べ大型融資が受けられる可能性があるなど、パーラー企業にとっても大きなメリットがあるものと考えています。一方、それを実現するには厳しいハードルを乗り越える必要がありますが、それは同時に企業の体質改善を推進することを意味しており、格付け機関の評価を得ることでステータスのアップや優秀な人材の確保など、大きな相乗効果も期待されるでしょう」と述べていた。