里見理事長は講演で、日電協が9月に実施したパチンコパーラーおよびファン向けのアンケート調査の結果を示し、パチスロのファン人口が大幅に減少したこと、4500〜5000店舗のパーラーが遊技機の粗利水準で「危機水域」に達していること──などを挙げ、「当初思った以上に厳しかったという印象で、調査結果をみて非常に悲観的になった」と述べた。
また、アンケートの回答では遊べるパチスロを望む声があった一方、現状よりも射幸性のある機械を求める声も多くあったとし、里見理事長は「こうした幅広いニーズに応えることは今の状況では非常に厳しい。当初の5号機はコイン単価が2.5円のものでも適合したが、今夏以降は1.5〜1.8円程度のものしか通らなくなった。ただ、解釈基準を変えれば規則の範囲内である程度の機種を開発できるのも事実。メリハリのない単調な機種ばかりになれば、誰も面白いとは思ってもらえないだろう」と基準緩和の陳情に至った経緯を述べた。
陳情の内容に関しては明らかにされなかったものの、「要望するのはあくまでも現状の規則の枠内であり、むやみに射幸性を上げようというものではない。要は“設計の自由度”を向上させることが目的であり、もちろんコイン単価の低い機種も開発していきたい。それでも抜け道を探るようなメーカーには一定期間、保通協に機種を持ち込めないようなペナルティが必要かもしれない」などと述べた。
また、11月30日に正式な陳情を行った後、陳情の内容を業界他団体にも開示する方針も示した。