この問題は、バルテック製のパチスロ機としてアベーレから昨年12月3日に発売された『コミックワールド沖』に発生した機械トラブルをめぐって、バルテック側と対応策の協議を進めつつも、明確な方針が未決であることを伝える文書(3月27日付)が関係方面にアベーレから送付されたことによって明るみにでたもの。翌28日には双方の協議が事実上物別れに終わったことを理由に、バルテックの総発を辞退することを発表していた。
今回、バルテックから送付されたのは、この28日のアベーレ側の経過説明に対するもので、『コミックワールド沖』に発生した機械トラブルについて改めて陳謝する一方、今回の契約解除の理由がアベーレ側の説明にあった「トラブル処理をめぐるメーカー対応のあり方」ではなく、「売買代金の未払い」が直接の原因だった点を強調。また、今回の機械トラブルに対して誠実さが欠けていたとの指摘についてもアベーレ側から報告を受けるたびに対応していたと反論している。
さらに今回の機械トラブルに関する瑕疵担保責任について、「その責は負わない」を明記された「合意書」がバルテック側から送付されてきたというアベーレ側の主張に対しては、「これは両社間の責任関係のみを定めた規定の趣旨を曲解したもの」と強く反発。客観的事実に反するものが多すぎると厳しく批判するとともに、「合意書」が締結に至っていないことを報告している。
これに対してアベーレの榎本社長は、 とくに“客観的事実に反するものが多々ある”との指摘に強い遺憾を示しつつ、「これ以上、ホール様や販社様を巻き込み、ご迷惑をお掛けするつもりはなく、私どもの主張が事実であるという証拠もある。今後は、両社間の問題という認識の下、企業としてしかるべき対応をとる所存」と本誌の問い合わせに回答。また、今回の件では、メーカー責任はもとより、「不条理な業界の商慣習を問う」姿勢で臨んできたことを明らかにした。