3月14日、都内で開かれたアミュゼクス アライアンスの財務セミナーで、講師の半谷英治氏(税理士・米国税理士・行政書士)から来年2008年4月1日以後の事業年度から適用予定の会計基準のポイントが解説され、財務諸表の作成時に親会社や子会社、兄弟会社、孫会社、グループ企業などの「関連当事者」を注記事項として明記することや、リースの会計処理が取引の形態によって従来の「費用」処理から「資産」計上を求められる方向性にあることが報告された。
関連当事者の注記は、関連当事者との取引が通常の第三者間取引と比べて優位性がある場合などを含め、財務諸表上でその関係性を客観的に把握できることを目指すもの。たとえばA社が入居しているビルの家賃を、A社と同じオーナーが別に経営している不動産会社B社に支払っている場合、その賃料が通常の相場より著しく安い場合であっても、財務諸表上からその関係性を把握することができなかった。この場合、「オーナーが同じだから安い」ことになるが、今回の見直しは、こうした関係性を財務諸表上に明確に示すことを目指したもので、企業の実力を財務諸表に的確に反映させる狙いに基づいている。
一方のリースの会計処理をめぐる見直しについては、中途解約不能条項が盛り込まれているファイナンス・リース取引が対象になると半谷氏は説明。業界のリース取引がファイナンス・リース取引の多いことに触れつつ、「来年4月以降の事業年度にあってはリースであっても購入した場合と同様に資産計上し、その上で減価償却していくことになる」と述べた。