『CRチューリップ物語IV』のトラブルは、昨年10月に発売した初期ロット497台の一部に型式試験時とは違う「玉送りカセット」が製造段階で混入していたほか、カギ穴をハウスキーに変更した際に不具合が生じることが発覚し、行政手続き上の関係から、導入パーラーでは稼働を一時停止しなければならない事態に発展していた。同機は同友会が手軽に安く遊べる遊技機として開発し、大和工業が製造したPB機で、同友会の会員パーラーのほか、その趣旨に賛同する東京都内や大阪府内の一部パーラーも設置していた。
辻井副代表理事の報告では、11月1日の緊急理事会において、これら一連の問題をめぐって吉川代表が辞意を表明。他の理事らは、今回の問題はメーカー側の初歩的なミスが要因のため吉川代表の慰留に努めたが、「吉川代表は責任感が強く、辞任の意向は変わらなかった」(辻井副代表)とし、12月5日の理事会において、今年5月に開催される第2期総会まで高濱副代表理事を代表理事代行とすることを決定した。吉川氏は代表理事と理事の役職を辞任し、会員としては同友会に残るという。
高濱代行は「業界が大変な状況の中で、私で務まるのかと思ったが、覚悟を決めてお受けした。吉川氏の下、同友会は様々な提言をし、実行してきた。ホール団体は今まで別々に行動していたが、それでは健全化にならないとして、連携を深め、健全化に邁進してきた。この流れはさらに深めていかなければならない」と決意を表明した。
一方、今回の『チューリップ物語IV』のトラブルに関して、メーカーの大和工業から導入パーラーへの営業補償については、高濱代行は「導入企業の損害状況がバラバラのため、大和工業と各企業が交渉することになる」と述べた。また、今後のプライベートブランド機の開発に関しては、辻井副代表が「こうした事故があったので止めるべきかの議論はあったが、理事全員の意見として、ホールや客のニーズを捉えた遊技機をつくるべきとの結論が出され、開発は継続していくことを決定した」と述べた。
その他、同日おこなわれた理事会報告として、新規会員1社、賛助会員1社の入会を認めたこと等を報告した。