焦点のひとつは消費税の転嫁方法。2000年12月の行政通達により法定遊技料金(玉1個4円・メダル1枚20円)を超える消費税転嫁は認められていたが、大半のホールは法定遊技料金を超えない内税で対応してきた。しかし5%から8%への増税後も現行の内税対応を維持する場合は税抜本体価格が下がる(実質値下げになる)ことから法定遊技料金を超える消費税転嫁に舵を切るホールも想定される。
法定遊技料金を超える消費税の転嫁方法には、これまでに貸玉(メダル)個(枚)数から消費税相当分をカットする方式と、プリペイド減算方式で貸出時に消費税を徴収し、残った端数を精算する方式のふたつの考え方が示されている。会見で平川副理事長は、「PSA(プリペイドシステム協会/プリペイドシステム供給団体)からはどちらの方式を選ぶのか、我々ホール側で一本化してほしいという要望を受けている」と報告。ただし法定遊技料金を超えて消費税を転嫁する場合でも、「同一店舗にあっては玉とメダルで転嫁方式を揃えることが絶対条件になる」と補足した。
一方、増税後も現行の内税方式を維持するホールと法定遊技料金を超える消費税転嫁に踏み切るホールとに対応がわかれる点について記者団から質問が出たが、これに平川副理事長は、「そこはあくまでもホール側の判断。組合としてどちらか一方に強制することはできない」と述べた。
法定遊技料金を超える消費税転嫁を認めた2000年12月の行政通達により、遊技料金に消費税は含まないことが規定された。また賞品交換時の玉1個(メダル1枚)の価値についても税抜本体価格である遊技料金が基準になるとの考えが示された。しかし税込の「市場価格」との等価交換を求める風営法の規定などにより、実際は「税込等価」を基準とする賞品交換が定着していた。
今回の「税込等価交換の明確化」は、遊技料金に消費税は含まないとする2000年当時の見解に基づいて全日遊連などホール団体から要望が出ていた「税抜等価」に対して示されたもの。税抜等価が認められた場合、賞品交換時の玉1個(メダル1枚)の価値から消費税分を減額することができたが、要望は退けられた。