高稼働を記録した今年のGW。その実績を振り返りながら、稼働上位機種の動向や定番機の残存状況を整理し、ホールにおける今後の機種戦略を検討するための視点について解説します。
今年のGWは飛び石連休ながら、パチスロ市場全体の平日稼働は前年比1.5倍、休日を含めた全体では108%の上昇と、コロナ明け以降の順調な伸びを感じることができました。
前年と今年の稼働トップ25機種を比較しますと、両年とも上位に最新台が多く、トレンドの変化が顕著に表れています。
また、前年から継続してランクインしている5機種のうち、4機種が高い残存率を維持しており、定番機種への安定した需要と、適切なケアの必要性が改めて浮き彫りとなっています。
さらに、上位機種の顔ぶれが大きく変化したことから、固定機種の維持が容易ではなくなり、店舗貢献度の高い機種を創出して定着させることの重要性が示唆されています。その候補機種を選定し、ユーザー認知の強化や訴求力の醸成が、営業力強化の有効な一手になります。
今回のケースでは、GW中に高い実績を示しながらも設置台数の少ない機種が、育成候補として挙げられます。また、設置比率が1.5〜2%の範囲で高稼働の機種は、設定投入や台数調整を行うことで、より高い実績を形成できるでしょう。
一方でGW中、稼働が低調だった機種は、今後の回復も見込みにくいため、早期に整理を進めて店内の新陳代謝を促進し、リソースをより見込みのある機種へ移行することが重要です。
自店におけるGW営業の結果から、現状のトレンドやユーザーニーズを把握し、店舗ごとに機種の運用方針を適切に定めていくことで、“次”に向けた準備を進めていただければと存じます。
◆プロフィール
中野大輔
㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長
大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカーの開発支援で実績を上げており、開発戦略参画から製品企画・評価検証まで多岐に活躍。