【コラム】新ジャンル「BT機（ボーナストリガー機）」導入のポイント – ホール経営に与える影響とは？

2025年、パチスロ市場に新たなジャンルとして「BT機（ボーナストリガー機）」が登場します。これまでのパチスロ市場は、ジャグラーシリーズを中心としたノーマルタイプと、高射幸性AT機の二極化が進んできました。BT機はその間を埋めるゲーム性かつ出玉性能で、ユーザーに新たな選択肢を提供することになります。本記事では、BT機導入を検討するホール関係者に向けて、導入時のポイント、収益性、集客効果、運用上のメリット・デメリットについて解説します（文＝ジェイさん@発信する遊技機クリエーター／J-BEAT合同会社代表）。

BT機導入時に考慮すべきポイント

(1) 収益性と運用のメリット・デメリット

BT機は、波の荒さが抑えられ、長時間遊べるゲーム設計となっています。そのため、AT機のような極端な吸い込みや爆発など出玉の偏りが少なく、ホール側にとっても安定した運用が見込める点がメリットです。

一方で、導入時の最大の懸念は「爆発力を求めるヘビーユーザーにとって物足りない可能性がある」という点です。「〇〇％ループ！」や「一撃〇〇〇枚！」といった出玉性能に焦点をあてたプロモーションを行ってしまうと、打ち手の想像と打感とで大きな乖離が生まれる可能性があります。つまり、現行のスマスロなど高射幸性AT機を好むユーザー層には響かない可能性があるため、適切なプロモーションと導入台数の調整が必要です。

(2) 集客への影響 – ターゲット層の変化

BT機の導入は、ノーマル機を中心に遊技している中高年層やライトユーザーなど「難しいことを考えず、現行のノーマル機同等のゲーム性かつ適度な射幸性で楽しみたい」といった層に向けた訴求が効果的です。

またBT機に関して、SNSなどを活用した情報発信や、プロモーション展開によって、「BT機に力を入れているホール」というラベルが付けば、情報感度の高い若年層を中心に中長期的な集客が期待できます。

ライトユーザーをターゲットにする一方で、BT機でボーナスが連荘するループタイプは1度のBT突入後、複数回目押しをする場面が発生し、一定の技術介入力が求められるという点は留意する必要があります。

導入戦略 – どのようにBT機を活用すべきか？

(1) 適切な導入台数の判断

ホールにとって最大の悩みは、BT機がどの程度、稼働を維持できるのかが不透明である点です。新ジャンルの機種であるため、導入初期の反応を見ながら増台を検討するのが現実的な戦略でしょう。

特に射幸性（コイン単価）の観点から見ると、BT機導入によって現状の機種バランスが大きく変わることはありません。基本は現行のノーマルタイプ島のテコ入れとなるため、中小規模のホールは市場動向を元に後発的にBT機を導入しても問題ないと思います。

(2) BT機の閉店時のルール

現行の閉店時のルールとして、AT機は基本的にAT中であっても即ヤメ、ノーマルタイプはボーナス中に限り当該ボーナスを消化して即ヤメが一般的です。

例えば、『アイムジャグラーEX』はボーナス開始時に閉店を迎えても約2分以内に消化できるため、閉店時のルール設定が容易です。しかし、BT機は複数のボーナスを連続して消化する仕様のため、一度BTに突入するとボーナス消化までに一定時間を要する機種も登場します。

ホール側は、各BT機の仕様に応じた閉店時のルールを事前に策定し、打ち手にも周知しておくことが重要です。特に、シームレスにボーナスが繋がる「ボーナス2回セットタイプ」などは、途中で遊技終了となるとトラブルになる可能性があります。事前の適切な閉店ルールの設定及び周知など、円滑な運用とクレーム防止を図ることが求められます。

まとめ – BT機導入は慎重に、しかしチャンスでもある

BT機は、ノーマル機とAT機の間を埋める新たなジャンルとして期待されています。導入にあたっては、
• ホールの客層に適した台数の導入
• ノーマル機ユーザーへの適切な訴求
• 閉店時のルール設定と周知
• SNSやイベントを活用したプロモーション
など、適切な戦略が求められます。

新しい試みにはリスクが伴いますが、成功すればホールにとって大きな武器になり得ます。市場の動向を注視し、事前準備をしながら慎重かつ積極的な導入を検討していきましょう。