過去2度にわたって「デカヘソ」についてのコラムを寄稿させていただきました。
・【コラム】パチンコ「デカヘソ」の未来は?
・【コラム】回るパチンコ台とラッキートリガーの親和性は高い
そんなデカヘソですが、各社が様々な名称を付けた上で、続々とこの春以降のリリースが決まっております。販売が決定しているタイトルだけで、『e真・北斗無双第5章 ドデカSTART』『P攻殻機動隊SAC_2045_大入りスタート』『PファンキードクターD』の他、噂の機種が数機種あり、おそらくGW前後はデカヘソ祭りになるかもしれません。そんなデカヘソについて言及していきたいと思います(文=荒井孝太/チャンスメイト代表取締役)。
基本的な意見は前回までと大きく変更はありませんので、前回のコラムを見てもらえればと思います(以下、記載するデカヘソ機とはLTが搭載されているものが大前提となります)。
今回提案したい内容とは、私の想像以上に各社の動きが速いということです。現状、デカヘソはいまだ『P貞子』と『e機動戦士ガンダムユニコーン2』しか導入されていないということ、その両機種ともに稼働が好調だったこと、またラッキートリガーも相まって昨今の市場環境に合致しているということもあり、遊技機メーカー各社が前のめりで開発をすることは正直予想の範疇ではあった一方で、ここまで各社の動きが速いとも想定しておりませんでした。
思ったより早い時期に多くのデカヘソ機がリリースされることになったわけですが、デカヘソ機は大きく2種類に分類され、それぞれ全く違う性能や意味合いをもっておりますのでこの機会におさらいをしたいと思います。
1.従来機同様のスペックタイプ
これは『eガンダムユニコーン2』のように、従来機型のスペックにデカヘソを搭載したタイプとなります。このタイプは通常サイズのヘソが搭載されている機械に比べて、スペックが一段見劣りするのが特徴的です。
例えば前述のガンダムでいえば、初当たり確率は1/349でRUSH突入率は約50.5%、RUSH継続率は約72%でRUSH時大当たりの内25%の大当りにてLTに突入と、従来型のスペックと比較するとスペックそのもので言えば見劣りします。
しかし、通常時は1,000円で30回転以上回り、ストレスがなく従来型のスペックを楽しめるという点で違和感なく受け入れやすいスペックであるといえます。このタイプは『P攻殻機動隊SAC_2045_大入りスタート』のように、初当たり確率1/189という通常ヘソサイズ機であればライトミドル帯のスペックでありながら、初当たりまでの初期投資金額でみると「甘スペック相当」というような今までにないスペックがリリースされ始めているのも特徴です。
2.一発台(変則)スペック
もう一方は、『P貞子』のように図柄揃い確率約1/1,340という途方もない確率のようなスペックです。図柄揃い確率は途方もないですが、デカヘソ機は変動効率が非常によく、1,000円でぐるぐる回るので、従来機の1/1,340とは全く違う印象を受けます。
今回、発表になった『Pファンキードクター』はまさにこの手のタイプに該当し、大当たり確率は約1/79と初当たり自体は平均3,000円もあれば当たる一方、RUSH突入率は6%のため実質RUSH突入率は約1/1,330となります。ここを刺すことができれば、一撃11,000個がほぼほぼ確定するというスペックになっており、まさに一発台に近しいイメージのスペックかと思われます。
デカヘソ機の数が少ないときは、デカヘソの大枠やそのイメージでユーザーに訴求すればOKだったと思いますが、リリース数が増えることでスペックも多種多様になっていくため、デカヘソというだけで括るのは少々雑な印象を与えかねないことにもつながりかねません。
デカヘソ機はまだ始まったばかりですが、各メーカーが急速にリリースしていくため、次のステップに進んだとみてよろしいかと思います。
◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。
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