社会・地域へギブ&ギブ 引退選手の受け皿にも
~GIVERSで「球界へ恩返し」と「業界活性化」~
元ヤクルトスワローズのエース右腕・館山昌平氏。マルハン北日本カンパニー硬式野球部初代監督として、今シーズンからその歩みを始動させる。自身の経験をもとに、けが防止の啓蒙にも力を注ぐ館山監督。新チームのビジョンを聞いた。
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──どういった経緯で監督就任に至ったのですか。
ロサンゼルス・ドジャーズの大谷翔平選手が肘のトミー・ジョン手術を受け、その頃、同じ手術を幾度も経験している私に、多くのメディアが取材に来ました。それと同時に、野球をやっている子どもたちのけがを防ぐには、やはり適切な指導が不可欠だとあらためて認識しました。そのため、アマチュア界に携わり、けが予防の啓蒙を通じて野球界に恩返しをしたいと思っていたところ、オファーを頂きました。
──そのなかで、監督を引き受けた要因はなんだったのですか。
マルハンが考えている地域貢献は、私のやりたい活動とある意味同じなのではないかという共感があったことが決め手です。
──どのようなチームを目指していく方針ですか。
最先端技術を活用し、社会人野球に革命を起こしていきたいです。具体的には3年で都市対抗・日本選手権に出場し、5年で優勝、そして7年後にはプロ輩出を目指します。
──チーム名『GIVERS』にはどんな意味があるのでしょうか。
ギブ&テイクのギブです。社会や地域に対する貢献をし続けられる存在でありたいという想いがチーム名になっています。
──通常、どんなスケジュールで選手たちは動くのでしょうか。
拠点が仙台ですので、基本的に仙台近隣の店舗に配属されます。午前中に3、4時間練習をし、店舗の稼働が上昇する夕方16時頃から社業に従事する形を計画しています。今夜は新台入替がウェイトトレーニングの代わりだぞ、みたいな(笑)。選手が最短で伸びる方法を模索していきたいです。
チームの活躍を通じ業界イメージ向上も
──地域貢献などで考えていることはありますか。
もともと野球に対する理解がすごくある会社です。それに私が取り組んでいる、様々な社会貢献活動にも寄り添いたいという点で意見が一致しています。
──将来の展望を教えてください。
全国大会出場や優勝などは、実は最終目的ではありません。というのも、誰しも選手として野球を引退する時が来ます。そしてそのセカンドキャリアに悩む選手は沢山います。プロでも同じです。しかし、事業多角化を推進する北日本カンパニーにはセカンドキャリアの選択肢が数多くあります。もちろん、プロというステップに挑戦することは会社として応援します。
しかしやりきったと思えたら、納得した形で引退を迎え、次のステージでも成功できる人材を育成していくことが1番の目標です。加えて、パチンコ業界は、マイナスイメージで捉えられることもありますが、都市対抗での優勝や、大きな大会に毎年出るようなチームになることで、業界のイメージ向上にも寄与していきたいです。