本連載では稼働促進のため、高単価機は導入したほうが良いとお伝えしてきましたが、最近はより機種選定が重要な局面に入りました。年末の機械の中で最も評価の質問が多かった『ダンベル』の評価をします(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。
演出の中毒性、出玉性能
客層の広さが大きな特長
筐体はいつものSANKYO筐体で液晶が大きく迫力のある演出が楽しめる仕様です。コンテンツの認知度は少し低いですが、煽り演出などSANKYOらしい派手なもので中毒性が強いです。スペックは純増8.5枚/GのAT特化タイプながら、目押しが押し順のみなので、非常に楽で圧倒的な出玉の速さを体感することができます。これは客層を広げる意味でも重要です。
また、最近のAT機はいかに上位ATに突入させ出玉を伸ばすか、といったゲーム性が主流で、ここに到達するまでのプロセスと、やれる感のバランスが稼働促進のポイントとなっています。
本機は、上位AT当選時は5G間のVストック特化ゾーンに突入し、平均4個のVストックを獲得。ストック1個で最低100枚以上の上乗せが発生します。100枚の上乗せがメインですが、ベルやレア役によっては200枚以上、強レア役なら500枚か1000枚が上乗せされます。消化中もレア役で枚数上乗せ抽選が行われます。
上位AT終了後はCZに突入し、成功(期待度56%)すれば再度上位ATに突入する仕組みです。有利区間が切れると、上位ATをかけたCZに突入する仕様の貫通タイプですが、毎回上位AT終了時に有利区間を切るわけではなく、上限まで残りの差枚数を参照しながら切るか切らないかが決まるようです。
初当たりの設定差は小さめで、上位チャレンジ突入率、成功率にも多少の設定差があります。これらを加味した上位AT確率は設定1で1/6,200、設定6で1/5,100ぐらいです。コイン単価は4.0円、MY3,666枚と低めですが、万枚突破率は4.7%あり、コンプリート率も高めとなっているようです。MYが低くなっているのは、上位ATに行かない場合のATのTYが300~1,200枚ぐらいの間に収まっているためです。
適正台数は
20円パチスロの3%
ゲームフローはシンプルですが、上位のVストックの見せ方に中毒性があり、やれる感が強く、純増8.5枚を色目押しなしで実現していることが他機種と一線を画す強みでしょう。
高純増機は短時間勝負に向いており、夜9時からでも現金投資できる台です。懸念点を挙げるなら、AT初当たりが重いことですが、ATに入れば最低でも300枚ぐらいは獲得できるため、即ヤメではなく持ちメダルで次の大当たりを目指す気になるのではないでしょうか。
高純増ATは『Lかぐや様は告らせたい』『L ToLOVEる』『Lゴッドイーター』とここ数ヵ月、好結果を連続しており、試打時ではそれら3機種よりも好印象でした。高純増ATは冷遇区間などゾーン狙い要素も少なからずありますが、実績の高いSANKYOなので内部仕様の心配はないと予測しています。
本機の適正台数は20円パチスロの3%。年末年始の営業を考慮して、多めの4~5%は導入することも検討していいと思います。その際は、『かぐや様』と『ToLOVEる』の稼働に大きな影響がでると予想されますので、これらを少し減台して導入するといった手法が必要になるかもしれないことを頭に入れておきましょう。
年末年始営業で『ダンベル』があるかないかで、パチスロ全体の集客に大きな差が生まれますので、必ず導入しておきたいところです。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。