集客ツールとして高単価機は重要ですが、安定稼働にはバランススペックが欠かせません。『Lモンキーターン』に次ぐヒット機種となるのか、また台数はどれくらい導入したらよいのかを考察していきます(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。
スペックは、純増2.7枚または4.0枚のAT特化型タイプ。通常ATでも紫7揃い時は純増4.0枚となり、上位AT時は全ボーナスで純増4.0枚となります。ATのおおまかなゲーム性は、5号機のヒット機種となった、月下雷鳴そのものです。
通常時は『モンキーターン』と同様、小役でポイントを貯め、規定ポイント到達を目指します。ポイント特化ゾーンは1セット5Gで継続性があり、貯めたポイントがそのまま継続率に換算されるため、獲得できるポイントの振れ幅はモンキーターンよりも大きい印象です。
ポイントの最大天井は600で、100毎にクエスト(前兆)突入のチャンスが到来。クエスト突入で1周期となります。クエストの回数天井は7回です。規定ポイントと規定クエスト回数を管理するモードはそれぞれ4種類で、2つのモードが絡んだ解除方式でAT当選を目指します。
また、ポイント解除以外に、リプレイの規定回数によって突入する自力CZもあります。このリプレイ規定回数は、ポイント解除でのAT当選ではリセットされず、自力CZに当選するまで累積カウントが継続。これにより、止め時が難しく、AT終了後も思わず打ち続けてしまうように設計されています。
AT中は月下雷鳴でお馴染みの抽選システムでモンスターのHPゲージを削っていきます。ベルで攻撃チャンス、リプレイでダメージのピンチとなるなど基本は変わりませんが、今作では特殊リプレイで貯まるゲージが存在し、MAXになると強攻撃を繰り出したり、部位破壊後のモンスター討伐報酬として剥ぎ取りチャンス銀などの新要素も搭載されています。
上位ATの性能は
モンキーより控えめ
同機はモンスター討伐のたびに有利区間を切る抽選が行われており、10体以上でチャンス、15体討伐で有利区間切れの権利を獲得します。そのほか差枚数2,400枚での有利区間切れもあります。
条件を達成し、有利区間が切れると7G間のチャレンジ(成功期待度67%)が発生し、成功すれば100Gの上位ボーナスに当選します。このボーナスでモンスターを討伐(成功期待度72%)できると、70%ループストックの超剥ぎ取りチャンスGを獲得し、純増4.0枚の上位ATがスタートします。上位AT単体の期待値は2,150枚です。
『モンキーターン』と比較すると、モンキーは上位ATではセットごとに有利区間を切るため、80%ループがシームレスに継続します。本機は、67%と72%を突破して初めて上位ループとなるため、上位ATの連荘システムとしては、モンキーの方が評価は高くなります。しかし、MYはモンキーの2,800枚程度に比べ、3,168枚あるので、出玉性能自体は上回っています。
まとめますと、モンキーで実績のある通常システムと、月下雷鳴で実績のあるATシステムを採用しているため、安定稼働が予測できます。新筐体の出来もよく、初動にも期待できるため必ず導入しておきたい機種です。
現状、モンキーは薄利運用すれば20円パチスロの5%の設置台数まで可能なメイン機種といえますが、本機はそれよりやや少し評価は下がり、メイン機種未満、脇役機以上という評価で、3%前後の設置台数を推奨させていただきます。12月の新台ラインナップがまだ見えてこず、今のところ年内の新台は『リゼロ2』と本機を中心に組み立てる必要があり、取りこぼしは避けたいところです。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。
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