【コラム】パチンコ「デカヘソ」の未来は?

投稿日:2024年10月1日 更新日:

古くは2019年の『P牙狼コレクション』で搭載されていたパチンコ機のデカヘソですが、その際は一部のユーザーが盛り上がることはありましたが、広く根付くことはありませんでした。それが5年後の2024年夏に『P貞子』と『e機動戦士ガンダムユニコーン2』に搭載されたことによって、脚光を浴びることになりました。本日はそんなデカヘソの未来について言及していきたいと思います(文=荒井孝太/チャンスメイト代表取締役)。

4か月前の予言

今年の5月31日に私のコラムにて「回るパチンコ台とラッキートリガーの親和性は高い」という記事を書かせていただいておりました。

内容の詳細はそちらの記事を見てもらえればと思いますが、このデカヘソとラッキートリガーは非常に相性が良いのが特徴的です。『P牙狼コレクション』の時は大きく広がることはありませんでしたが、その際には実現できなかったスペックを今回、新たに搭載したというのも成功の要因の1つかと思います。

回らないという時代に拍車がかかったタイミング

またもう1つの大きな要因といたしましては、これは皆さまが想像している通りで、昨今のパチンコ台があまりにも回らないというアンチテーゼがあると思います。ヘソ1個賞球が主流になり、回りムラが頻発したりすると1,000円で数回しか回らないこともざらにあったりします。

ラッキートリガーが搭載されて更に図柄揃い確率が深くなったこともあり、大当たりまでが非常に遠く感じられるようになった状況において「せめて液晶は回って抽選を受けたい」という要望が日に日に強くなっていったのは想像に難くありません。

打感と時間効率

そして、これは実際に打ってみないとわからないことでしたが、想像以上に打感とテンポ感がよく作られていました。スタートにガンガン玉が入賞し、液晶がガンガン変動し、期待できない変動の際は短い変動で次回転へ…というように、この10年以上のパチンコ液晶演出の流れが大きくひっくり返ったように思いました。

パチンコは、ドンドン“ヘソ”が回らなくなったと同時に、液晶演出がドンドンこってりになっていきました。それは、回らない液晶を退屈させないように液晶演出をこってりにすることで少しでも期待してもらおうといった具合です。「どうせ当たらないのに…」といった演出なのにも関わらず、年々派手になる液晶でしたが、それがデカヘソによって一気にブレイクスルーした印象です。

それによって時間効率も非常に良くなりました。例えば昨今のハイミドル機は大当たりまでに大体2時間前後かかるのが一般的でしたが、『e機動戦士ガンダムユニコーン2』はなんと70分ほどで図柄揃い大当たりするような変動効率になっています。私の周りにも爽快感が良すぎて、他の機械がたるくなってきたというような意見を聞くことも少なくありません。

今の時代だからこそマッチしたデカヘソですが、今後、パチンコシーンを変える可能性すらはらんでいると思いますので、今後リリースされると思われるデカヘソ機にも要注目です。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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