【コラム】最新台が導入できなくても諦めることなかれ!

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失敗しない売り場プロモーション㉞(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)

●地域1番店や旗艦店に対抗できるものとは!?

あなたのお店は、地域1番店や旗艦店と比較して何が異なるのでしょうか? 設置台数でしょうか? 新台の導入台数でしょうか? 広告宣伝費でしょうか? 設備でしょうか? 給与(または時給)でしょうか? 他にはどのような違いがあるでしょうか?

地域1番店や旗艦店との違いは、資本の差です。

地域1番店や旗艦店は、稼ぎ頭であるため、企業は投資を惜しみません。極論、資本を惜しみなく投資するのであれば、更地にして、駐車場スペースを拡張して、設置台数を大幅に増やして営業することが可能です。実際に、上記のように取り組み、収益改善している旗艦店をいくつも拝見します。資本主義社会の原理原則は資本を持っている企業が強いということです。基本的にこの構図は変わりません。

しかし、唯一資本に対抗できるものがあります。それはブランドです。ブランドは資本を超えます。二流ブランドや三流ブランドは資本によってM&A(企業の合併や買収)されます。しかし、本当に強い一流のブランドはお金を出しても購入できません。購入させてくれません。

●エルメスとコラボした「アップルウォッチ」

例えば、時価総額3.45兆 USD(498.64兆円)のアップルは、2284.52億 EUR(36.86兆円)のエルメスと交渉して、アップルウォッチ×エルメスの時計を発売しました。見方を変えれば、世界一の時価総額のアップルでさえ、エルメスほどのブランドを手に入れられていないため、エルメスの圧倒的なブランドを借りたかったということです。

エルメスとコラボレーションした「アップルウォッチ」。

私はランチェスター戦略という経営戦略の公認インストラクターであり、ランチェスター戦略では資本とブランドの戦いを科学的に分析しています。今回は本筋とは異なるため割愛しますが、地域2番店以降が収益改善するためには地域1番店以上のブランドを手に入れる必要があります。あなたのお店がブランドを手にするためには、ブランドの作り方を学ぶ必要があります。そのために、まずは広告ガイドラインの恩恵について考察します。

●新台以外の主力機で戦える環境

広告ガイドライン制定の恩恵は、射幸性が高い取り組みが公に実施できるようになったこと。そうおっしゃる店長を含めた経営幹部の方々は多いです。もちろん私もそう考えています。

しかし、それ以上に新台を積極的に購入できないお店が、新台以外の主力機種を中心に戦えるようになったことが最大の恩恵です。

これまでは特定機種(おすすめ)を明示できませんでした。そのため、新台機種を起点に情報発信を組み立てるしかなかったです。しかし広告ガイドラインの制定により、お客様に支持される遊技機を起点に情報発信をすることが可能となりました。つまり、池袋エリアでジャグラーといえばプラスアルファ店というように、商圏のお客様の信頼を貯めて、ブランドを構築することが可能となりました。

売り場のプロモーションおよびSNS配信、またSNS広告・WEB広告で顧客欲求の低い新台を打ち出すより、既に結果を出している機種をおすすめとして打ち出した方が成果は生まれやすいです。

ブランドは高稼働の遊技機の中で生まれます。導入して直ぐに低稼働となる新台ではブランドは構築できないです。

「おすすめ」を明示したポスターデザイン例
©KITA DENSHI

●ブランド構築に言葉遊びはNG

またブランドを構築する時に言葉遊びをしてはいけません。最近、おすすめを「推し」という言葉を使って表現するお店を見受けますが、顧客欲求の低い言葉です。圧倒的に顧客欲求の高い「おすすめ」というパワーワードでブランドと成り得る主力機種プロモーションは攻めるべきです。

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◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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