今年の8月、9月は新台供給が少なく、集客できる要素に乏しいです。このような時期こそ定番機を取り揃えるチャンスと捉え、中古機を活用することが重要な戦略となります。今回はその考え方を解説します(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。
8月、9月のパチスロ新台は集客力のある話題機がほとんどなく、手薄な状況です。このような時期には中古機価格が高騰するのが常ですが、現状のパチスロ中古相場(7月末時点)は下落傾向にあります。お盆前の入替に間に合わないタイミングであること、パチンコLT機が好調で、ホールがパチンコに機械代を多く割り当てていることが要因と考えられます。
10月か11月に、スマスロのリゼロの販売が予定されていますが、それまでの間は新台での集客が難しく、中古機を活用するには絶好のタイミングといえます。長期運用できる定番機であれば値崩れすることはなく、繁忙期に間に合わない安価な時期に購入すれば、損することはないはずです。
ここからは稼働を維持して長期運用が可能な、中古で購入しておきたい定番機を解説します。
『Lからくりサーカス』は、高単価機の中では最も稼働が安定しており、販売台数的にも飽和していません。また、設定運用もやりやすく、薄利運用した分稼働が上がる機種であり、今後の高単価機の中心となっていくでしょう。中古価格は高値で推移していますが、メーカーも少しずつ再販をしているため、中古機購入が難しい場合は再販優先で検討したいところです。
『L ToLOVEる』『Lゴジエヴァ』は、G数解除に依存せずAT中も目押し不要ながら高純増であり、短時間勝負で気軽に打てる特長があります。フル稼働は難しいですが、今後も安定稼働に期待でき、20円パチスロの2%を目安に設置しておきたい機種です。
『L北斗の拳』は設定判別が非常に難しいですが、店長カスタムによってトロフィーを出現させることができるため、設定を短時間で見切られることがなく、かつ高設定もアピールできる使い勝手の良さがあります。様々な新台が登場しても1年以上、メイン機種として安定稼働が続いているため、今後もその地位は揺るがないでしょう。20円パチスロの中の10%を持ち、固定機種とすることで機械代も節約できると思います。
『L押忍!番長4』はホールによって過不足の差が大きい機種です。多台数を稼働させることは難しいですが、20円パチスロの2~4%なら安定稼働させることができるため、不足しているホールなら購入しておきたい機種です。
『L炎炎ノ消防隊』は、イベント時など高設定狙いのユーザーの人気も高く、脇役AT機として長期稼働に期待できます。2%を目処に、4~5台で活きる機種です。
『L戦国乙女』は、さすがに平常日では稼働が厳しくなっていますが、低貸でのニーズは非常に強く、20円パチスロ以上に台粗利を確保できているホールも少なくありません。30万円を切る価格なら低貸に購入しても費用対効果が見込めるはずです。
『L防振り』は、導入前後の評価は低かったですが「スルメ台」と評判で意外と稼働が安定しています。設定に素直な出方をするため、高設定を投入した時の反応は非常に良く、活かしやすい機種です。ALL設定1で設置しているだけでは安定稼働は見込めませんが、中間設定、高設定を上手く駆使できれば名物機となるポテンシャルを秘めています。定価を下回る価格なら購入する価値ありです。
また、人気機種の『Lモンキーターン』『Lチバリヨ2』も価格は下がりましたが、まだまだ高値のためお買い得感はありません。さらに、『Lシンフォギア』『L聖闘士星矢』『Lヴァルヴレイヴ』といった高単価機は12月初旬のボーナス時期までは稼働が厳しくなり、中古価格が下がることが予想されるため、購入はおすすめしません。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。