東京都遊協は6月19日、都内中野区の「なかのZERO」で2024年度遊技場経営者研修会を開催。当日は組合員関係者など416名が出席した。
研修会では行政講話および2つの演題による特別講演が行われた。冒頭、同組合の阿部恭久理事長は「厳しい状況が続くが、広告宣伝ガイドラインの改正や賞品提供ガイドラインの制定で営業の選択肢の幅が広がり、変更承認申請書類の簡素化で業務の省力化が進んできた。一歩一歩、何とか進んでいるのは、全日本遊技産業政治連盟の先生方の理解と協力があったおかげと実感している。今後も現場から改善要請のある問題、課題に取り組んでいきたい」と挨拶。より良い営業環境の実現に向けた活動を推進していくと話した。
行政講話では、警視庁生活安全部保安課風俗営業係の今村浩一係長が登壇。今村係長は主に広告宣伝、パチンコへののめり込み依存防止対策、遊技機の認定申請、暴力団排除について言及した。
中でも広告宣伝については、インターネット上の悪質な広告宣伝について指摘し、今村係長自身が対応した悪質な事例をいくつか具体的に紹介した上で「第三者によるネットへの書き込みと見せかけて、パチンコ関連のサイト運営者等に依頼して、ホールとして告知できない情報をネットで配信しているとしか思えない。店長の判断で行っていても経営者の皆さんが知らないでは済まされない。営業所に行政処分が下される可能性があることを理解してほしい」と注意喚起した。
特別講演では、前衆議院議員で全日本遊技産業政治連盟の野田毅顧問が「業界と政治の関わりについて」、経済ジャーナリストで作家の渋谷和宏氏が「激変する日本経済 輝く企業・輝く人の条件」という演題で講義を行った。
全日本遊技産業政治連盟の野田顧問は、現在の政治情勢や自民党側の思惑を交えながら、業界による政治との関わりについて「業界のことをよく理解し、そして応援してくれる政治家をいかに増やすか、ここが一番大きな柱になるだろう。理解する政治家が増えるほど、皆さんの抱える難しい課題についても、行政に適切なアドバイスを行うことで、改善への道が開けると思う。私自身、これからも元気でいる間、お役に立てる間は全力あげてお手伝いさせていただきたい」と語った。
一方、経済ジャーナリストの渋谷氏は、過去10年間で業績がV字回復したコメダ珈琲やルノアールの事例を紹介。労働市場から引退した団塊世代のニーズにうまく合致したことなど、V字回復の要因分析を解説した。その上で、コロナ禍で貯蓄に回ったお金が70兆円に達するといった現在の国民の経済情勢から見た日本経済に生まれる新たな可能性について言及した。