帝国データバンクは6月19日、同社の企業概要ファイル「COSMOS2」(147万社収録)の中から、2018年~2023年の各年において業績が判明しているパチンコホール企業を抽出し、法人数や売上高合計、損益について調査・分析した結果を発表した。
それによると、2023年のホール企業の倒産件数は24件。過去最大の倒産(ガイア、民事再生法、負債943億5500万円)が発生したほか、廃業を決断する業者が散見されたものの、集客力の回復や事業譲渡などが進んだことから、前年の倒産件数34件から減少に転じた。
同年のホール企業数は1,336社で、前年比172社減(11.4%減)となり、2018年の2,192社から5年間で856社(約40%)が減少したこととなる。
一方、総売上高は11兆1,525億円となり、対前年比で1.9%減少。コロナ禍の2021年は休業要請等、通常通りの営業活動ができなかったことにより対前年比23.6%の大幅減少となったが、経済活動が回復するにつれて減少幅は縮小している。
ホール企業数が大幅に減少する一方、総売上高が微減にとどまっているのは、店舗の売却・買収が進み運営法人の淘汰が進んでいること、コロナ禍の収束やスマスロのヒットにより売上が回復している業者が一定数あると推測している。
またホール企業の内、黒字企業の割合は52.5%。コロナ禍で業績が悪化し、2021年には約6割の法人が赤字となっていたが、業績は徐々に回復し、3年ぶりに黒字法人が過半数を超えた。
2024年は、スマスロだけでなくスマパチでも話題の台が多くリリースされることや、改刷対応で多額の設備投資が不可欠となるため、手元資金の有無が業績の明暗を分け、二極化が鮮明となる1年になるだろうと見通した。
ただし長年にわたるパチンコ・パチスロ需要の減少によって資金繰りに余裕のあるホール企業は少なく、ガイアの民事再生を契機として金融機関の中には「パチンコホールに対する見方をさらに厳しくする」といった声もあり、新たな資金調達の可否が鍵となりそうだという。