【特別インタビュー】
インバウンドがパチンコ業界再興の救世主になる
|やたい劇場グループFC本部代表(創始者)井芹洋之氏

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遊技人口の減少等により、パチンコ店舗数が減少する中、屋台サービス『やたい劇場』を全国でFC展開するビート・アップの井芹洋之社長は、インバウンド(訪日外国人旅行)の取り込みの必要性を訴えている。重要になるのは、業界全体での発信力だという。

パチンコは外国人も楽しめる遊び

──井芹社長はかねてより、インバウンドの取り込みの必要性を強く提言されています。インバウンドに注目する理由は何でしょうか。

海外の方が日本に観光に来る目的は様々だと思いますが、その中に「日本のアニメが好き」という理由の方も多いと思います。そのアニメのコンテンツとコラボしているのが、パチンコ・パチスロです。だったら、外国人にもパチンコ・パチスロを楽しんでもらえるはずです。遊技機だけの演出もあり、景品にフィギュアなどを揃えれば持ち帰ってもらうこともできます。そうした楽しさを提供できると思っています。

──アニメとタイアップした遊技機は多いですが、入店してもらうまでのハードルが高いと言われています。

まず言葉の壁がありますが、最近はスマートフォンで外国語を変換してくれるアプリなどがあります。それらを活用するのもよいと思います。

一番有効なのは、旅行代理店と組んでパチンコ・パチスロの体験をツアーの中に入れてもらうことだと思います。すでに一部のホールで実施されているようですが、業界全体で取り組めば、より多くの外国人が体験できますし、一度楽しい経験をすれば、次回から自分たちだけで遊びにいけるようになると思います。

──そのためには受け入れるホール側の準備が必要ですね。

タバコのニオイや音の問題を嫌う外国人は多いですが、今は原則、店内は禁煙ですし、音の問題もスマート遊技機の登場で少しずつ改善されていると思います。ツアーなどが無理でも、まずはトイレを貸すといったことから始めてもよいと思います。まずは気軽に店内に入ってもらうキッカケを業界全体で作り、「パチンコ店のトイレはキレイで入りやすい」ということを認知してもらうのもよいのではないでしょうか。

業界全体での発信力が重要

──インバウンドとは異なりますが、一部の地域では在留外国人がユーザーになっているケースもあります。

就労ビザなどで日本で働く在留外国人に親しんでもらうことも大事だと思います。主要なユーザーになってもらう可能性は十分にあると感じています。
──一方で、外国人の中には「パチンコ店は怖いところ」という悪いイメージを持っている人もいるようです。

日本人の中にも誤った認識を持った方がいますので、外国人に正しい情報を伝えていくということは大事だと思います。例えば、海外のインフルエンサーを招待して実際に遊技してもらったり、パチンコ店の実態を紹介してもらえば、遊び方だけでなく正しい認識が海外にも拡がります。1企業だけの取り組みでは限界がありますので、それこそ業界全体を挙げて、パチンコ・パチスロの魅力や健全さを発信していくことが重要だと思います。
──やたい劇場グループでは、パチンコ店の駐車場等で「たこ焼き」などを提供しています。たこ焼きはまさにジャパニーズ・フード。外国人が足を運ぶきっかけになりそうです。
そのきっかけになれば嬉しいですね。味には絶対の自信を持っていますし、街中で買うよりも安価です。外国の方に気軽に日本の食文化を味わってもらいつつ、同時にパチンコ店に関心を持ってもらい足を踏み入れてもらえる機会になればいいですね。我々の場合は、その場でパチンコ・パチスロの遊び方や景品交換の仕方なども伝えられます。グループ内でそうした働き掛けができないかを話し合っているところです。

──インバウンドはコロナ禍前の水準に戻りつつあり、政府ではさらに増やしていく方針です。

遊技人口が減少し、店舗の営業も厳しい状況が続いています。これから増えていくインバウンドは、業界が再興するための救世主となり得ると思っています。そのためには先に触れたように業界全体でもっとインバウンドを取り込む施策を進めてもらいたいと感じます。その中で我々も微力ながら協力していきたいと考えています。

いせり・ひろゆき
1971年5月生まれ。熊本県出身。ホール、遊技機販売商社勤務を経て、05年中古機を取り扱う株式会社ビート・アップを設立。08年に「やたい劇場」を立ち上げ、その後、FC本部として同事業を全国的に展開。23年10月から熊本遊技広告会の会長を務める。

▼全国やたい劇場グループ
https://www.yataigekijo.com/

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