失敗しない売り場プロモーション㉘(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)
注目すべきはポジティブ感情の高さ
2月5日にスマスロの『コードギアス』と『ガールズ&パンツァー最終章』が最新台として導入されて、2月度の稼働率は遊技機の中で最上位に位置しています(※2024年2月22日時点)。しかし、その下に位置するのが、昨年12月4日に導入されたスマスロの『モンキーターン』です。そのため、今回は長期稼働する遊技機の特徴について解説します。
まず、お客様の感情分析が重要です。人間の消費行動はポジティブ感情の時に積極的となり、ネガティブ感情の時に消極的になる傾向があります。そのため、導入された遊技機がポジティブ感情に振れているのか、ネガティブ感情に振れているのか見極める必要があります。現在の『スマスロ モンキーターン』は驚くべき数値を示します。
直近7日間のデータではポジティブ感情が92%、30日間のデータでは86%と極めて高い数値を示します。過去の『スマスロ戦国乙女』以上の数値です。そのため、2月末時点では積極的にプロモーションしなければならない機種のひとつです。しかし、これだけで判断するのは早計です。弊社が、導入された遊技機が長期稼働するのかどうかを見極めて、強化するのかを今回のコラムではより深く解説します。
検索数の推移を把握する
もう一つ目のポイントは、検索数(検索ボリューム数)です。どれだけ、導入された機種がエンドユーザーに検索されているのかを月毎の推移を追います。例えば、『スマスロ モンキーターン』の2023年10月からの検索数の推移を折れ線グラフにしました。
12月の導入された時期が最も高く997,420の数値でした。ジャグラーなど長期稼働する機種は300,000~400,000検索数を安定的に推移します。集客が低迷する遊技機は顧客の興味・関心が低下するため、自ずと検索数が低下して、山型の折れ線グラフを示します。
さらに、検索ワードから相対的な人気度の推移を見ます。『スマスロ モンキーターン』とスマスロの『コードギアス』と『ガールズ&パンツァー』の導入直後の人気度を比較すると、スマスロの『コードギアス』と『ガールズ&パンツァー』の人気度は半減しており、直近の人気度を見ると、『スマスロ モンキーターン』に抜かれる日が出てきています。
長期稼働する遊技機の特徴をまとめます。
①ポジティブ感情が85%以上である
②月間の検索数が300,000以上を超える
③人気度の動向が崩れず安定的に推移する
この数値を見ながら、店内プロモーションの告知量を大幅に増加させて、さらに新しいデザインの広告に変更することにより、店舗が強化している遊技機であることを実感して頂く取り組みを強化します。もちろん、店内のお客様だけではなく、『スマスロ モンキーターン』に興味を持っている顧客は存在するため、WEB広告やSNS広告、また広告配信せずに無料で発信できるSNSの通常投稿を駆使して、店外のお客様にも興味を持って頂ける仕掛けを散りばめます。
ユーザー視点で広告を設計する
今回は、文字数の関係上、広告の作り方を具体的に解説することは控えますが、お客様の検索キーワードを調べて、どのような消費行動になっているのか、マインドマップというものを可視化して、どの情報が求められているのかを基にデザインを制作します。店舗側のエゴやカッコイイという視点で制作することを排除します。常に、お客様の視点で広告を設計することが重要だと考えています。
集客低迷しているお店は、最新台だから広告をするという既成概念から脱却できていません。導入前後で顧客感情は変動するため、導入前のポジティブ感情・検索数・人気度が低い最新台を広告することが悪いことだとは言いません。しかし、導入後に集客が低迷するのであれば、定番の人気機種へ広告を投下することが重要です。現在であれば、『スマスロ モンキーターン』がそのひとつです。
【お知らせ】
スマスロ モンキーターンのポスターが豊富なデザイン定期便
https://www.uriba-design.com/
◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。