【コラム】『スマスロ北斗の拳』と『海物語』の共通点とは

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今回は、スマスロ北斗の拳と海物語の共通点をテーマとし、プレイヤー心理に基づいた機種がヒットする理由を実例で説明致します(文=小島信之/トビラアケル代表取締役)。

ベストはシンプルな3パターン

前回、演出のことを少しお話しさせて頂きました。基本的に演出はシンプルな3パターンがベストであると考えます。『スマスロ北斗の拳』も、一番の演出の肝であるラオウの攻撃はパンチ、キック、剛掌波の3パターンですし、『海物語』の肝となる予告も基本的になし、泡、魚群の3パターンです。

基本の3パターンの演出に多少のアレンジなどはありますが、その3パターンのアツさの法則を崩すような演出は存在しません。このようにシンプルな3パターンの演出だけでもプレイヤーは十分にアツくなれるのです。

北斗は3パターン以下のシンプルな演出の積み重ねで、多くのプレイヤーの支持を受けています。継続バトルは3ゲーム目攻撃側の選択【ラオウorケンシロウ】、5ゲーム目技の選択【パンチorキックor剛掌波】、6ゲーム目攻撃を【受ける orよける】、8ゲーム目攻撃を受けて【立ち上がるor倒れる】、エンド画面時【復活するor終了】。至ってシンプルな演出ばかりです。

同様に海物語も前兆、予告、リーチで基本的にシンプルな演出ばかりです。このようなシンプルな演出だと、プレイヤーは初めて遊技したとしても2~3回演出を見れば、そのルールが把握でき、アツくなるポイントが分かるようになります。

また、それらを繰り返し体感することで、プレイヤーが勝手にオカルト演出を作り出してくれます。オカルトの演出が出来てしまったら、そのプレイヤーだけが知っている機種の勝ちやすくなる(と信じている)情報ですので、そのプレイヤーはその機種からは当分は離れないでしょう。

最も演出が
少ないジャグラー

今、業界で最も支持を集めている機種は、最も演出が少ない機種といっても過言ではない『ジャグラー』です。GOGOランプが光るか、光らないか。その演出だけでプレイヤーは満足しているのです。

シンプルな演出を徹底的に磨き上げ、プレイヤーを満足させています。ジャグラーは特別だと考える方もいるかもしれませんが、分かりやすいという観点から見ると、これ以上の機種はありません。

このようなシンプルな演出で成功する機種は1年に1機種あるかないかです。それらの多くは液晶を搭載してない機種です。液晶を搭載した機種は、演出が多くなりがちです。しかし、液晶を搭載していない機種は演出の幅が限られますので様々な工夫が凝らされます。そのため、一つ一つの演出の完成度が高まりやすいのです。

演出の少なさは魅力の一つ

ここまで演出の多さについて述べてきましたが、決して演出が多いことが悪な訳ではありません。

演出が多くなって分かり辛くなることが悪なのです。演出が多くても分かりやすければ、それが理想です。しかし、演出が多く分かりにくいのなら、演出が少なくて分かりやすい機種の方が、プレイヤーから支持されやすいです。

10年ほど前に豊丸産業から『セクシーフォール』という機種が販売されました。その機種にはリーチ演出が3パターンしかありませんでした。当時の営業マンは私に、演出が少なくてスミマセン、と謝りながら営業をしていました。しかし、導入後は、爆発的なヒットとはなりませんでしたが、多くの店舗で長期間設置されました。

演出の少なさは、実は機種の魅力の一つなのです。

◆プロフィール
小島信之(こじまのぶゆき)
トビラアケル代表取締役

2018年まで首都圏、静岡、大阪に展開するホール企業で機種選定を担当。2019年に独立し、その分析力を活かしエンタープライズの全国機種評価等を開発。現在はメーカーの遊技機開発、ホールコンピュータの機能開発など、幅広い分野に携わり、変態的なアイディアを提供している。馬と酒とスワローズをこよなく愛する。

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