【コラム】新時代の成果の生まれる広告の絶対法則
『シン・エヴァンゲリオン』と『スマスロバジリスク』から検証せよ

投稿日:2023年12月15日 更新日:

失敗しない売り場プロモーション㉕(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)

顧客の関心を可視化する

遂に、『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』(以下、エヴァ16)と『スマスロバジリスク~甲賀忍法帖~絆2天膳』というユーザーの好きなコンテンツの新台がパチンコ店に導入されます。遊技機の事前評価については賛否両論ありますが、私は導入するまで本当の結果が分からないと考えています。

そのため、顧客の事前期待に応じて店外また店内の広告量を増減させて、導入後の結果が悪ければ広告量を減らすという流動的な広告戦術が必要です。

では、読者の方に質問です。『エヴァ16』であれば、どのようにお客様に伝えているでしょうか。

私は綾波レイを基軸に伝達することが望ましいと考えておりましたが、それは私自身の主観であり、顧客のマインドマップを可視化すると意外な結果でした。ちなみに、マインドマップとは、キーワードの中心から複数の枝分かれが放射状に展開し、各枝分かれにそれぞれのキーワードがあるという人間の脳をイメージした思考を可視化するための図式です。もっと分かりやすく言えば、お客様の欲求を図式にしたものです。

では、『エヴァ16』のマインドマップを見てみましょう。P型式の「Type レイ」が検索されているのかと思いきや、スマパチの「Type カヲル」の方が大多数のお客様は興味関心があるようです。

『エヴァ16』のマインドマップ

マインドマップの筐体・カヲル・スマパチを軸に企画したポスター例

どのような名前で検索されているのか

前回のコラムでも記載しましたが、個人の主観で判断するのではなく、科学的に伝達テーマを決めます。そこで重要になってくるのが、お客様は導入する新台機種をどのような名前で検索しているのか把握することです。

例えば、『スマスロバジリスク~甲賀忍法帖~絆2天膳 BLACK EDITION』は「バジリスク絆スマスロ」が14,800と最も多い検索結果でした。添付した表の機種名の検索数を合算すると22,400です。「スマスロバジリスク絆」は2,400しか検索数が少ないため、この言葉を使ってマインドマップを作成しても、大多数のお客様には響かないものとなります。

例えば、『スマスロ北斗の拳』は、大多数のお客様が「北斗の拳スマスロ」と検索しています。

だからマインドマップを作る時は「北斗の拳スマスロ」で作成します。まずは大多数のお客様が使用する言葉を知ることを心掛けてください。

顧客欲求が可視化できる時代になりました。しかし安易に顧客欲求を可視化するのではなく、まずは大多数のお客様が使用する言葉を知ることを心掛けてください。

検索名でマインドマップは変化する

広告量の判断は導入台数より検索数

最後に、大量導入するからと言って広告を積極的に実施しないでください。例えば、11月上旬に導入された『スマスロまどかマギカ』は検索数が少ないにも関わらず、導入台数が多いという理由で積極的に情報発信しているお店が非常に多かったです。

そもそも導入前に顧客の興味がなければ広告効果は得られません。『スマスロまどかマギカ』の検索数のピークは8月の45,180で、10月は25,430でした。11月6日の導入においては『パチスロエウレカセブン3』の数値が他機種より多かったため、導入前の広告配信の軸とする機種はエウレカセブンでした。

それを分かっているお店は『パチスロエウレカセブン3』の初動の動きが競合他店と比較して大きく異なります。2024年はこれまでの情報発信の在り方から脱却しませんか?

【お知らせ】
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◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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