【コラム】忘れてはいけないスマート遊技機化による大きなメリット

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先日webGREENBELTの業界ニュースで「スマート遊技機の異常値や不正はゼロ件、10月末時点」といった話題が記事として取り上げられました。今回のコラムではスマート機の不正対策に対して触れさせていただきます(文=ジェイさん@発信する遊技機クリエーター/J-BEAT合同会社代表)。

スマート遊技機化によるメリット

約1年前より導入が開始されたスマスロですが、もちろん打ち手の方がダイレクトに感じる「有利区間上限」が無制限となったことによる出玉的、遊技的な向上や、物理的なメダルがなくなった事による遊技性の変化が挙げられます。

一方で、スマスロのメリットはそれだけではありません。もともとスマート遊技機が生まれた経緯でもある「依存症対策」「不正撲滅」に向けたメリットも存在します。

単純に「不正がない」という事は感じにくいメリットではありますが、例えば低貸しや他店コインの持ち込みによる不正は確実になくなっています。

またもう少し深掘りすると、先の記事でも取り上げられているように、スマート遊技機の情報は遊技機情報センターへ送信されています。

送られている情報としてはさまざまなパラメーターが存在しますが、たとえばパチスロでいえば出玉情報は以下の表の物が挙げられます。

表:遊技機情報管理センターに送信される情報

聞きなれないパラメーターが複数存在しますが、要は出玉に関する値を各台個別に監視・管理しているという事です。

これらは主に依存症対策につなげる出玉監視ですが、さらに不正対策としてのパラメーターも別途送信しています。

スマート遊技機登場以前の不正対策でいえば、メーカーによる遊技機自体への対策と、実際各ホールに設置されてからはホールごとに対策が委ねられていました。そのため、実際に不正が行われていたとしても、ホールから声が上がってこない限りメーカーは対応ができず、気づかないまま長期間に渡って不正(ゴト行為)が行われるケースも存在しました。

一方、スマート遊技機は遊技機情報センターという第三者機関によるチェックも行う事が可能です。もちろんこのまま不正事案が発生しない事が望ましいですが、もし仮に発生したとしても早期に発見し、対策できる仕組みになっています。

今回の記事でも取り上げられていたのは、この遊技機情報センターに集まった全国のスマート遊技機から異常値や不正がなかったという事です。

今回この報告を行った東京都遊技業協同組合(都遊協)は不正遊技機を排除すべく活動されています。こちらの機関では遊技機関係者だけでなく、一般の方からも不正に関する情報を受け付けていますので、ホール内において不審なことや不正行為などに気づかれた方は当該機関へ連絡をお願いいたします。

さいごに

遊技機業界を未来につなげていくという点において、さまざまな議論がなされていますが、不正対策というのは最重要項目です。

現時点ではスマート遊技機で異常値や不正がなかったとの事ですが、個人的にはまだまだ強化していく項目だと感じています。

現状に満足するのではなく改善を重ねて、不正のない、打ち手の方が安心して遊技できる、よりよい遊技機業界にしていきたいですね。

◆プロフィール
ジェイさん@発信する遊技機クリエーター
J-BEAT合同会社代表

発信するプロ遊技機クリエーター兼ライター。過去遊技機メーカー3社で勤務。在籍中に10数機種の遊技機開発に携わる。現在は法人を経営しつつ、フリーのクリエーターとして遊技機開発に従事。また、メーカー所属では出来ない発信、評論活動を行っている。
X(旧Twitter):https://twitter.com/jsan65536

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