ホール賃料は、この2年で平均20%超削減
従前からの業況低迷と物価高のダブルパンチに見舞われるなか、業績向上の切り札として注目されているのが賃料の適正化を目指す動きだ。賃料交渉支援のパイオニア、ビズキューブ・コンサルティングに話を聞いてみた。
適正賃料との乖離が発生したままに
年の盆商戦は比較的堅調に推移し、今後に期待感を抱かせるものとなった。しかしその一方で、大型タイトルの導入タイミングが絶妙だったことなど、「今回はたまたま良かっただけだと思う」という所感を持つホール関係者も少なくない。つまり、一時の業況に左右されることなく、長期的な視点で業績浮上施策をうち続ける重要性は、これまで以上に高まっているのが現状だ。
とはいえ、すでに乾いた雑巾を絞るようなコスト削減を続けてきたホール企業にとって、通常のやり方でこれ以上の運営コスト抑制は難しい段階に達している。次の一手が模索されるなか、これまであまり触れられてこなかった動きが活発化しつつある。それが賃料を適正化する動きだ。
2001年以来、数多の賃料交渉支援を手掛けてきたパイオニア的存在であるビズキューブ・コンサルティングの藤﨑健一取締役は、業界特有の事情から、賃料が高めに設定されたままになっているケースがかなり多いと指摘する。
「今と異なり昔は地主の方々の中にはパチンコ店の出店に難色を示す方がいました。そういった場合、その方が納得できる賃料を提示することで出店します。
複数の地主になる場合は、一番高い価格が他の地主の方にも適用されます。結果的に周辺相場より大幅に高くなったままです。またコロナ禍で、飲食を中心に多くのテナントが賃料削減を実現しましたが、パチンコ店は手つかずで今に至っているケースが多い。
バブル崩壊やリーマンショック、東日本大震災などの経済環境の変化がありましたが、苦労の末出店した経緯を考えると、家賃交渉はほとんどしてこなかったようです」
と、
コロナ禍で隔たり他業種との適正賃料
業況が好調な時代は、出店することが重要で、賃料はそこまで重く捉えられていなかったのが実情だろう。
理由は、それでもビジネスが成立する利益構造を有していたからにほかならないが、業容がシュリンクするなか、かつてのようなコスト感覚で生き残りを図ることは難しくなっている。ただこれも、視点を変えれば、賃料の削減余地が、かなり大きいということだ。
市場開発部の村川雄政係長は、「他業種と比べ、賃料が2〜3倍というケースもあります。単に賃料を下げてくれといっても難しいですが、貸主様は賃料が適正値より高いことは認識しています。貸主様との関係性が良好であり、きちんとエビデンスを持って折衝すれば、合理的な判断が下されるようです」という。
実際、他業種では10〜16%の削減額に留まる一方、パチンコ店は、20%〜23%の削減にこぎ着けているという。閉店余儀なしと覚悟を決めていたホールが、賃料削減に成功したため営業を継続できたケースも多々あるという。
ポイントは、そのエビデンスをいかに揃えるかだが、そこで強みとなるのが、これまで同社が積み重ねてきた知見とデータ。それは蓄積データを基に適性賃料と判定する診断に加え、数少ない賃料交渉の機会で最大の成果を目指す万全の支援体制だ。
いずれにせよ、賃料交渉をマイナスに捉えるのではなく、損益分岐点を下げ、新たな分野への原資を得るという戦略の柱にするためにも、まずは無料の物件診断を依頼してみる価値はありそうだ。
ビズキューブ・コンサルティング株式会社
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