今回は11月登場のスマートパチスロ機(以下、スマスロ)3機種について、有効設定を考えてみます。粗利が取りやすいスマスロですが、高粗利のままでは稼働の急激な落ち込みは避けられません(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。
11月に登場したスマスロ3機種は、今までの6号機ではありえなかった一撃性能を見せています。万枚報告は多数あり、19,000枚のコンプリート機能の発動も導入初日から確認されています。高い一撃性がゆえ、設定配分に素直な出方とはならず、設定担当者が困っている様子も散見されます。
解析情報も『Lバキ 強くなりたくば喰らえ!!!』はある程度開示されていますが、『スマスロリノヘブン』『パチスロ革命機ヴァルヴレイヴ』はほとんど開示されていないので、ユーザーも設定を探る手がかりが少ない状況です。今回は暫定版として、3機種の現状の設定運用を考えてみます。
『バキ』の推奨設定は?
まず、『バキ』からです。CZ確率、AT確率の設定差は小さくデータ表示機の確率から設定を推測することが難しいといえます。また、AT直撃確率の設定差は大きいですが、分母が大きいため設定推測には用いることは難しいです。そのため、設定判別はCZ終了画面、AT終了画面での示唆が頼りです。
CZ終了画面では、高設定示唆(弱・強)、設定2以上、設定4以上の示唆があります。AT終了画面では、高設定示唆(弱・強)、設定2以上、設定4以上、設定5以上、設定6確定の示唆があります。これらの示唆は比較的出現しやすくデフォルト以外のものが出現すると心理的に止めにくくなるため、これらの示唆を意識した設定配分を組みたいところです。
設定2以上示唆、設定4以上示唆、高設定示唆を意識して、設定2、設定4は使いたい配分でしょう。設定6は示唆画面出現時に写真を撮って口コミ、拡散してくれるユーザーも多いため、当然ながら必要な設定となります。
従って、『バキ』の推奨設定は【設定1、2、4、6】の4種類です。ただし、『バキ』は上位ATに突入すれば期待値が3,000~4,000枚程度あり、その上位ATは3日に1回ほどの出現頻度と推測されます。そのため、高設定でも上位ATを引けなければプラスになりにくい仕様で、設定の勝率は安定しません。ベース設定は1、2を併用し、大きな黒字台には設定4を投入、それでも出なければ設定6に上げるといった運用方法を基本としたいと思います。
『ヴァルヴレイヴ』の推奨設定は?
次に『ヴァルヴレイヴ』ですが、こちらもCZ確率、AT初当たり確率の設定差は小さくデータ表示機での確率では判断しにくいと言えます。しかし、設定6では深いハマリがほとんどないことが確認されます。
低設定も高設定も確率自体に大差ありませんが、低設定の場合、履歴に早い当たりも深い当たりも混在します。一方、設定6の場合は200~400Gの履歴ばかりが並ぶことがほとんどのようです。
低設定と高設定の出玉の違いは、上位ATに突入した際の上乗せG数にあるようで、3ケタ上乗せの頻度が高設定の方が高く、上位ATでの獲得枚数が多くなる傾向にあります。また、初当たり時のBIG、REGの比率も高設定になるほどBIGが多いとのことです。
ただし、設定6でも勝率は6割程度と低く、ダラダラと吸い込んでから一撃5,000枚のような出玉で一気に逆転するような挙動が多くなっています。
現状では設定示唆画面など開示されていませんが、豪華な示唆画面が出現したり、当選履歴やBR比率を見れば、高設定かどうかは十分に判断できると思います。近いうちに設定示唆画面の詳細も開示されるはずで、おそらく奇数、偶数、設定2以上、高設定などの示唆があるはずです。
設定2でも出率96%台のため、ベース設定を2にしても利益は十分に確保でき、デフォルトとは異なる示唆画面も出現すると思います。設定4の出率も101%程度のため頻繁に使用しても問題なく、高設定確定の豪華な示唆画面も出現すると思われます。設定6は勝率こそ安定しませんが実出率は111%と高く、一撃性能にも優れています。設定6を1台だけ投入しても、その設定6が出るかどうかは分からないのですが、3~4台投入すれば1台は5,000枚、万枚突破という派手な出玉感を演出できるのではないでしょうか。
従って、『ヴァルヴレイヴ』の推奨設定は【設定1、2、4、6】の4種類とします。設定1が辛すぎるため、設定2ベースでの運用も可能です。
例えば10台であれば「設定2を5台、設定4を5台」や「設定1を4台、設定2を4台、設定6を2台」などが有効です。計算上、このような配分でも赤字にはならないため、抜けすぎるなら、しっかりと高設定を投入したいところです。
ただし、出ないからといってどんどん高設定を増やしていくと、高設定ほど一撃性能が強いため、1日で大赤字になることもあり注意が必要でしょう。
『リノヘブン』の推奨設定は?
最後に『リノヘブン』です。この手の沖ドキタイプの台は、基本的に高設定狙いのユーザーは打たないことが予想できます。初代『沖ドキ!』のように奇数設定か偶数設定かで継続率が異なる場合、使うべき設定も決まりますが、そうでない沖ドキタイプの場合はどの設定を使用しても問題なく、機種トータルでの出率管理が重要となります。
また、本機の場合は、設定変更時に40%の確率でチャンスモードに突入し、朝イチに少し旨みがあるタイプとなっています。『チバリヨ』の場合、設定変更時の1回目のボーナスから連チャンが始まるため、朝イチだけ荒らされる傾向にありますが、本機は『沖ドキ!』と同じタイプの朝イチ恩恵なので、ボーナス2回目が熱く、朝イチだけ荒らされる仕様ではないでしょう。そのため、毎日の設定変更はできるかぎり行い、朝の立ち上がりを早くすることで、稼働を延ばすことが出来ると思います。
他に、本機の場合は設定示唆となるトロフィーが出現します。設定2以上、設定4以上、設定5以上、設定6確定の4種類がありますが、トロフィーが出現しても勝率は安定しないため、プレイヤーもあまり意識はしないはずです。まずは、設定変更を毎日行って、それでも抜けるなら、高設定を使用する形です。
従って、『リノヘブン』の推奨設定は【設定1、2、4、5、6】と全設定OKとなります。ただし、無理に出玉を見せて稼働をあげようとはせず、自店の信頼を落とさないよう運用していきましょう。
今後のスマスロの新機種に関しても、設定の運用が重要だと思われますので、引き続きこの記事上でもお伝えできればと思います。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。