【コラム】スマスロ導入店と未導入店における機種運用、出玉運用の違いとポイントとは?

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いよいよ本格的に導入されるスマートパチスロ(文中以下、スマスロ)ですが、未導入店も多いようです。今回はスマスロ導入店の機種運用と未導入店の機種運用を考察していきます(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。

スマスロ導入店の機種運用は?

年内の新台も全て出揃い、スマスロ登場から年末年始営業までの具体的なイメージができているのではないでしょうか。スマスロは部材不足等によるユニット不足が深刻で争奪戦となっていましたが、直近になってユニット不足は解消傾向にあり、スマスロの遊技機の方が入手困難となっている状況です。

旗艦店、大型店であれば、無理をしてでもスマスロを確保していると思われますが、中小型店ではスマスロを1台も導入できないホールも多いようです。今回はスマスロを導入できるホールと、スマスロを導入できないホールが、スマスロ登場後にどの機種に出玉を使って稼働をつくるのか、スマスロの有無による違いを考えてみます。

まず、スマスロ自体の利益計画をどうするかですが、導入初期は基本的には高めの利益率で良いと考えています。11月に導入される『パチスロ革命機ヴァルヴレイヴ』『Lバキ 強くなりたくば喰らえ!!!』『スマスロリノヘブン』は一撃性能が強く、設定不問で出玉の波がつくれるスペックであり、低設定での運用も可能でしょう。

また、スマスロは薄利で営業してもメダルレスで出玉感がないため、見た目のインパクトには欠けます。12月に登場する『HEY!エリートサラリーマン鏡』は、番長シリーズでお馴染みの設定判別要素があると予想され、幅広い設定運用が求められる機種です。

ただ、おそらく導入1ヵ月ぐらいは人気だけで高稼働が継続すると思われるため、本格的に設定運用を始めるのは、正月明けの2次ロットが登場してからでいいと思われます。

このようにスマスロは導入後、正月休み明けまでは高粗利で運用する計画を立てたほうがホールの運営上、楽ではないでしょうか。導入店では、スマスロから利益を取りつつ、その利益を6.5号機に幅広く振り分けて薄利で運用することを推奨したいと思います。

スマスロを導入することで、ギャンブル好き客層、パチスロ好き客層の集客を図ることができるため、その客層を逃さぬように、6.5号機を甘く運用して稼働の底上げを図りたいところです。

具体的には、『パチスロ新鬼武者2』『パチスロ甲鉄城のカバネリ』『SLOTとある科学の超電磁砲』『パチスロ犬夜叉』『パチスロバイオハザードRE:2』『パチスロ幼女戦記』など、稼働が見込める6.5号機に高設定を多用して“AT機に高設定を使うホール”という印象を与えたいところです。

『ジャグラー』シリーズは、特に普段と変わらぬ営業で問題はないと思います。スマスロで集客したお客様がジャグラーを打つことは少なく、普段のジャグラーのお客様にいつも通りの運用で遊んでもらえれば特に問題はないでしょう。

とにかくスマスロを導入したホールでは、スマスロだけが高稼働する状況ではなく、パチスロ全体が高稼働するように6.5号機を稼働させて底上げを図る設定運用が望ましいと思います。

スマスロ未導入店の機種運用は?

次にスマスロ未導入店の機種運用を考えてみましょう。普段からAT機を遊技しているお客様は確実にスマスロに興味を持つため、残念ながらスマスロ導入店に流れてしまう見立てになります。お客様の流出は覚悟せざるをえないという事です。

ジャグラー、ハナハナの常連客は、すぐにスマスロへ流れることはないと思いますが、“スマスロは凄い”と噂を聞きつけて、スマスロ導入店に足を運んでしまい、その店舗のジャグラーに居着いてしまう可能性はあるかもしれません。それだけは確実に防止する必要があり、未導入店ではジャグラーを最優先に出玉を割り当てたいところです。

ジャグラーの中でも『アイムジャグラーEX』は年配客層が中心で流出の不安は少ないといえますが、『マイジャグラーV』『ファンキージャグラー2』の客層はAT機も打つ客層が混ざっているため、未導入店では『マイジャグラーV』『ファンキージャグラー2』を薄利運用することが最優先事項となります。

AT機のお客様はスマスロ導入店に流れてしまいますが、AT機の中でも高設定を使えば高稼働する人気機種なら、出玉を出す価値はあるのではないでしょうか。今なら、『新鬼武者2』『カバネリ』が最適だと思います。

スマスロ登場後、スマスロ未導入店では、『マイジャグラーV』『ファンキージャグラー2』『ハナハナホウオウ~天翔~』『新鬼武者2』『カバネリ』に絞って薄利運用を行い、少しでも流出を防ぐよう頑張り、守りにはなりますが、固定客の流出だけはさけたいところです。そして、重要な機種となるのが「沖ドキ!GOLD」です。

初代『沖ドキ!』に近いスペックを実現した『沖ドキ!GOLD』はヒット機となると予想しています。そのため、『BIG島唄』『リノヘブン』『もっと!チバリヨ』など『沖ドキGOLD』とゲーム性が似ている機種は、稼働が分散するのではないでしょうか。

このことから、『沖ドキ!GOLD』に出玉を集中した方が稼働効率は良いと考えます。スマスロ登場後は、商圏のお客様が各店のスマスロの様子を見るために店舗間を回遊するので、スマスロ、『沖ドキ!GOLD』をどれぐらい導入できたのかによって、商圏内の順位も変動することになるでしょう。

しっかり導入できたホールでは、それ以上の相乗効果を狙って、パチスロ全体稼働の底上げを図るよう注力したいところです。残念ながら導入できないホールでは、ジャグラー、ハナハナだけは守るという覚悟で挑みたいところです。

◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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