【コラム】『Pからくりサーカス』から新台プロモーションの仕掛け方を考える

投稿日:2022年8月15日 更新日:

失敗しない売り場プロモーション⑨(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)

適正な新台プロモーション
最新台として今月導入した『Pからくりサーカス』から新台プロモーションの在り方を模索します。私がご支援する取引先では、『Pからくりサーカス』の大当りは必ず10R 1500個×最大継続率約81%であるため導入を極端に期待しているところと、一方全く期待していないところと大きく二分しました。

このコラムを書いているのが導入前なので最終的にホールにとって主力機種のひとつとして中長期的に運用できるのかどうか、皆様がこのコラムをご一読いただく際には結果が出ているはずです。

このようにエンドユーザーが期待するスペックかつ版権的に認知が取れている遊技機で、市場に20,000台以上導入される場合、どのような新台プロモーションを実施していますか? また本来どのような新台プロモーションが適正なのでしょうか?

①全ての新台入替を積極的に行う
②様子見で控えめに広告予算を抑えて実施する
③上記のような場合、積極的に広告展開する

数値をみて仕掛けを変える
大枠で捉えると、この3パターンに分類されることが多いです。①の場合は誇大広告となる頻度が高いため、お勧めしません。しかし、現在のパチンコ店では無自覚に①のパターンが非常に多いです。②は誇大広告となる機会は少ないですが、導入直後の数値が良い場合は出遅れます。③は誇大広告となる頻度が少なくなるため①と比較すると良いです。

つまり、③が新台プロモーションとしてお勧めです。ただし、これだけで終わらせてはいけません。導入2日~3日目の数値を見て、この新台は中長期的に運用できると判断した際は、新台導入1週間後に販促および装飾を変更して鮮度プロモーションを仕掛けてください。一方、集客的に伸び悩んだ場合は告知量を減らしてください。

そのため、下記の2つのことを考えることが大切です。

1つ目は、事前に広告代理店と導入直後の数値が良い場合に使用するデザインのラフ案を練っておき、新台導入後の数値を見て直ぐに鮮度プロモーションを駆使できる体制を整えておくことが重要です。

もし新台導入前のプロモーションが実施できる商圏であれば、導入前→導入直後→導入1週間後と三変化できるようにしておくと、競合他店と比較して圧倒的に鮮度プロモーションが向上するため効果的です。お金を掛けて大きな装飾物で広告展開する時代ではありません。

2つ目は、可動式の販促および装飾を基軸に展開することが重要です。施工が必要な大型なものばかりであれば、新台導入後の結果を見てメリハリを利かすことができません。

現在、集客苦戦するお店は大きな装飾物でお客様の少なさを隠そうとします。これが誇大広告となり、お店の信用を低下させるきっかけとなります。そのため、新台プロモーションや機種プロモーションは告知量を増減できる売り場の体質に変革することが大切です。

これまでの王道プロモーションは客数が減った現状では有効打となりません。現代の広告展開の在り方は時代と共に進化します。

以下、デザインのサンプルです。

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◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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