認知向上を侮るなかれ! 資生堂TSUBAKIの消滅!?【コラム】

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失敗しない売り場プロモーション(文=野島崇範/プラスアルファ専務取締役)

認知が消費行動の起点です。認知の向上を諦めれば、新たな消費行動は生まれません。しかし、認知を軽視する風潮は残念ながら変わりません。当然、短期的な売上や利益を生み出さなければ、店舗および企業存続は不可能です。しかし、永続的に営業するためには認知の拡大が必要不可欠なのです。

ここで認知がどれほど大切か、資生堂から生まれた「TSUBAKI(ツバキ)」というシャンプーの事例を共有します。過去、TSUBAKIというシャンプーは日本で最も市場シェア率を獲得したシャンプーでした。

それが徐々に市場シェア率が下がり、2016年以降9%から4%に落ち込み、その状況から打破できずに、2021年2月に「TSUBAKI(ツバキ)」など日用品事業を投資ファンドに売却することを決断しました。

ただし、低迷する中で何もしなかった訳ではなく、髪の内側の空洞部分に浸透する「毛髪メラニンホール補修成分」を新配合するなど商品のモデルチェンジをしたり、ダメージケアラインに新技術「高浸透ブースト処方」によって濃密な補修効果とサラサラでベタつかない使用感・仕上がりを両立したり、商品のテコ入れのために、あの手この手を尽くしました。しかし、その努力むなしく、顧客獲得に繋がりませんでした。

まさに、資生堂のTSUBAKIは、現在のパチンコ店の状況と類似していると私自身は感じております。顧客数が伸びないため、少しでも興味を持って頂くために、改善を繰り返していますが、優先事項の高い問題はお客様の興味を高めることではないのかもしれません。

記者会見で資生堂の社長である魚谷雅彦氏いわく、広告宣伝費などに十分な投資ができなかったと低迷した理由を述べていました。化粧品の国内シェア第1位である、あの資生堂でさえ問題解決の手段を間違ったということです。

消費行動の起点はAttention(注目・認知)です。今回の話では詳しく述べませんが、AIDMAの法則やAISASの法則など、最初の「A」は全て認知なのです。2番目の「I」であるInterest(興味・関心)に目を向けがちですが、消費行動はA→I→D→M→AやA→I→S→A→Sのアルファベットの語順通りに流れます。そのため、興味・関心を高めるために、機種装飾や機種配置や営業放出など様々な施策を行っても上手く行かない場合は、最初の「A」である認知が不足しているのではないかという問題意識を持って頂きたいです。

つまり、クロスメディア戦略の根源は、多様化した時代における認知の獲得手法なのです。短期的な成果は生まれませんが、だからと言って認知を拡げ続ける活動を止めて良いという話しではありません。

次回はクロスメディア戦略の要となるLINEについて2022年度版の最新のLINE活用術について解説します。


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◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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