今回は1月末に導入となった注目のパチスロ新台『ディスクアップ2』についての考察です。前作とはどう違うのか?比較しながら解説します(文=飯田信一/メイドインサービス)。
1月末でほぼすべての5号機が撤去になり、6号機時代の幕開けとなった2月。『ディスクアップ』も5.9号機なので、1月31日までに撤去となりました。代わりに導入されたのが今回の『ディスクアップ2』ですね。前作と比較してどのような特徴があるのか見ていきましょう。
集計期間は、1/24の導入初日から1週間分のデータです。
『ディスクアップ2』※設定は4段階
設定 | 使用比率 | 平均投入 | 出玉率 | コイン単価 | 勝率 |
設定① | 71.2% | 17,661枚 | 99.8% | 1.71円 | 35.8% |
設定② | 28.4% | 18,852枚 | 101.6% | 1.37円 | 52.2% |
設定⑤ | 0.5% | 27,535枚 | 108.0% | 0.73円 | 100.0% |
設定⑥ | 0.0% | ------枚 | -----% | ----円 | -----% |
『ディスクアップ』※設定は4段階
設定 | 使用比率 | 平均投入 | 出玉率 | コイン単価 | 勝率 |
設定① | 98.3% | 14,713枚 | 100.9% | 2.01円 | 45.6% |
設定② | 1.2% | 12,696枚 | 102.1% | 1.78円 | 47.5% |
設定⑤ | 0.4% | 16,322枚 | 104.1% | 1.39円 | 57.2% |
設定⑥ | 0.3% | 20,730枚 | 105.7% | 1.14円 | 68.9% |
思った以上に設定②も
新台ですので、まずは『ディスクアップ2』の設定使用比率を見てみます。やはり甘い印象が強いので、設定①がベースになっている比率です。印象では思ったよりも設定②を使っていると言う点。とは言え、設定⑤⑥はほとんど使われていないのが今後の不安材料になりそうですが。
そして平均投入・出玉率を見ると設定なりの数値になっていますね。設定①の出玉率は何とか100%を切っている状況ですが、初週のデータとしてはかなり甘い数値とも言えます。前作からのディスクアッパーと呼ばれる中級~上級者のユーザーがそのまま移行している事を示唆していそうです。
このままいくと、前作の『ディスクアップ』と似たような出玉率になっていくのではないかと想像します。ただ前作よりも技術介入度が上がっている事を踏まえると、前作よりは低い出玉率で収まる可能性もありそうですね。
いずれにしても、ホール側としては粗利確保困難な機種であることには間違いありません。5号機が無くなって、粗利確保が難しくなった状況の中、『ディスクアップ2』がどのような役割を果たしていくのか?非常に気になるところでもあります。粗利と同時に売上の事を考えると、コイン単価がさらに下がっているのも気になります。
出玉性能は?
そして最後の問題は出玉性能ですね。甘い甘いとは言いながらも、まとまった出玉が出なければユーザーの支持率も低下してしまいます。初週だけのデータで見ると、最大差枚数で5,000枚強の出玉が確認できました。前作の最大差枚は万枚達成もありましたので、今作もまだまだ出玉は伸びそうですね。逆に伸びてもらわないと、かなり厳しくなる可能性も出てきてしまいます。
そして勝率を見てみましょう。『ディスクアップ2』の設定①での勝率は35.8%と、前作の設定①の45.6%に比べ、10%ほど下回る低い数値です。なぜここまで勝率が下がったのでしょうか?出玉率は高いのに勝率が大幅に下がったということは、吸い込みは少ないが、出玉も少ない。これに尽きるのではないでしょうか。
6号機と言う枠の中で、やはり出玉性能が低くなっている裏付けだということが出来そうです。吸い込んだぶん以上の出玉のリターン比率が少なくなっている可能性もありますね。そうなると甘さだけでは稼働してこなくなる可能性すら出てきてしまいます。
前作の『ディスクアップ』なら2,000枚、3,000枚ほどの塊は結構出ていた印象がありますが、6号機になって1,000枚ほどの塊しか期待ができなくなってしまう可能性が強まってきました。そうなると時間効率や投資効率への不安感が増し、稼働状況を著しく悪くしてしまう可能性もあります。ならば言い方は良くありませんが、どうせ利益は取れないのなら、しっかりとした集客と定着を目指した設定調整を実施するのも一つの施策と言えそうです。
初週の気になる稼働状況ですが、平均18,400枚でした。同期間の前作『ディスクアップ』の平均稼働が18,700枚と、ほぼ同じ数値でした。5号機最後の週と言うこともあり、打ち納めにきたディスクアッパーも多かったのでしょう。同じように稼働していると言う事は、しっかりと『ディスクアップ2』へ移行してくれている裏付けにもなっています。
技術介入要素がさらに強まった『ディスクアップ2』の稼働状況にやや不安もありましたが、粗利性能以外は今のところ無難に動いてくれています。しかし甘すぎるゆえに推奨する設定調整と言うのは、なかなかお伝えする事が出来ません。非等価のエリアであれば、設定②をベースに稼働を伸ばしに行くことも考えられますが、等価のエリアでは・・・
この先、6号機も新しいスペックの新台がまだまだ登場してくる予定ですし、早ければ夏位には新しい6.5号機と呼ばれるスペックの新台が登場するかもしれません。それまでの間も6.3号機や6.4号機と言った微妙なマイナーチェンジスペックの新台も出てくると思われます。そんな激動の6号機時代にあって、揺るがない固定ファンの存在は非常に貴重で重要です。ただ甘いから撤去するではなく、この先の6号機新時代に向けた『ディスクアップ2』の運用方法や役割をしっかりと見据えた扱いを模索して頂きたいと思います。
◆プロフィール
飯田信一
1975年、東京生まれ。好きなパチスロ機は『ひぐらしのなく頃に祭』『HANABI』『ガメラ』など。パチスロ運営に関わるコンサルティグ業務、セミナー講師、メーカーの開発・販売支援などに従事。パチスロ運用のご相談は、メールアドレス(iida777@mis1979.com)まで。