今回、マースエンジニアリングが実施しているWEBセミナーは「来店ポイントサービス」がテーマ。同社営業企画部・販売促進グループの澤田陽介マネージャーが、実際の導入店の活用事例を交えて解説した。
マースエンジニアリングの行った独自調査によると、現在、来店ポイントサービスを導入しているホールは全国で約3000店舗。このうち約100店舗が、深刻なコロナ禍にあったここ2年間のうちに、新規で来店ポイントサービスを導入したという。
導入が拡がった背景について澤田氏は、「新型コロナによって来店客数が減少し、追い打ちをかけるような広告宣伝規制等もあり、店内サービスをより重視・拡充する店舗が増加したのではないか」と分析する。特に、来店ポイントサービス導入店では、ポイント交換会の実施回数を増やすなど、既存顧客を囲い込むためのサービス強化を積極的に推し進めており、近隣店舗がそれに倣う形で導入に至るケースが多かったとも付け加えた。
来店ポイントは付加価値
優良会員、年配層に訴求
次に、来店ポイントサービス導入店におけるポイント交換の利用状況について、10店舗分のデータが示された。店舗Hを例に挙げると、当月の来店会員1073人(平均年齢53歳)のうち、月に10回以上来店する優良会員は455人(割合42%)だ。ポイント交換を行った会員にフォーカスして見ると、交換人数は105人(平均年齢63歳)、うち、優良会員は78人(割合74%)となっている。澤田氏は「ここで着目すべきは、年齢差と優良会員割合。来店会員に比べ、ポイント交換会員の方が平均年齢が高く、優良会員が占める割合が高い。他の店舗データを見ても、同様の傾向が見て取れる。また、10店舗のポイント交換会員674人の総来店回数を年齢別に見ると、『50歳以上で約70%』、『60歳以上では約55%』を占めている。優良会員かつ年配層が中心に利用していることを裏付ける結果だ」と澤田氏は解説した。
しかし、来店ポイントサービスを導入していることが、遊技客の店舗選定理由として大きく作用しているかと言われれば、そうではない。遊技客の大半は「遊技したい台がある」「自宅から近い」「店舗との相性が良い」などの理由で店舗を選ぶため、優先度は決して高いとはいえないだろう。だからこそ、来店ポイントサービスは、会員に対する“付加価値”として考えるべきだと澤田氏は話す。付加価値を高める事で、これまで以上に既存顧客の囲い込みを図ることができるだけでなく、未導入店舗との差別化にもつながる。
システム全体と連携
営業戦略に落とし込む
マースのシステムでは、ユニット、景品POS、玉(メダル)計数機など、ホール機器のどこでもポイントの付与が可能だ。同時に、遊技履歴、投資金額、ポイント利用など、あらゆる会員データを取得・蓄積することもでき、そのデータを遊技機戦略や接客サービスに活用するホールもある。
例えば、会員カードの利用数が増えることで、「会員が好む機種」「特定機種しか遊技しない会員」等の検索ができる。ここから、メイン機比率や稼働継続率、優良会員比率、実オンリー数といった、長期稼働や撤去台の目安として活用できるデータを取得することができる。
また、ポイント交換会の開催が近づいたタイミングで、特定ポイントを保有している会員を抽出して来店通知を送信するなど、ファンとの接客機会の創出を行うことも可能。このようにシステム全体が連携することで、来店ポイントサービスの域を越えた活用ができるのも、マースシステムの強みだ。
導入ホールからは、「会員カードを持つことで、店舗選択やホールへの来店動機づけに大きく貢献している」という声が多数挙げられているという。
コロナ禍で接客機会が減っている今だからこそ、来店ポイントをきっかけとして、ファンとの接点を作り、他店との差別化に繋げるべきではないだろうか。