いよいよパチスロ5号機の完全撤去が近づいてきました。残りの期間、5号機は粗利重視で行くのか、薄利で行くのか非常に悩ましい問題です。今回は5号機のラストランをどう迎えるのかを考えてみたいと思います(文=三木貴鎬/エスサポート代表取締役)。
出玉は5号機優先か、6号機優先か?
2022年1月末には5号機が完全撤去となり、完全6号機時代になります。そこで今回は、5号機最後の運用方法を考えてみたいと思います。
『ジャグラー』の話は一旦さておき、AT、ART機に関して、「打ち納めのユーザーが多数いて、ほっといても稼働が上がるから粗利重視でいいのでは?」という質問を多く頂きます。
しかし、5号機が残っている以上、ユーザーが求めるのは5号機の高設定であることは間違いありません。特に『押忍!番長3』『SLOT魔法少女まどか☆マギカ2』『パチスロ聖闘士星矢 海皇覚醒』など、人気が集中する機種の高設定を求めています。
一方で、2月から6号機のみの営業となるため、「6号機を甘く運用してはどうか」という質問も良く頂きます。
6号機のAT、ART機は、今後多数の新台が登場してきます。その中でどの機種がメイン機になるのか、出玉を見せるべき機種なのかは全く分からない情勢です。
高設定狙いのユーザーがターゲットになりそうなのは機種を敢えて挙げるならば、『パチスロANEMONE』『パチスロモンスターハンター:ワールド™黄金狩猟』『エヴァ魂の共鳴』『押忍!番長ZERO』等が候補でしょうか。また、これらに加えて『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』『バイオハザード7』『パチスロ頭文字D』等も高設定狙いのユーザーは注目するでしょう。
しかし、これらの機種は多台数で高稼働させるにはハードルが高いです。多機種少台数戦略になって行くことが益々鮮明になると思います。従って、ユーザー目線でいうと、新台が続々登場する6号機は、ホールがどの機種に力を入れて、高設定をメインに使用するのかが読みにくく、高設定に期待することが難しいと思われます。
だとするならば、6号機のAT、ART機よりも、5号機のART機を中心に高設定を使用したほうが、単純に集客出来るのではないでしょうか。年末年始からは5号機のART機の稼働は伸びていくことが予想されます。5号機に高設定を使用するホールは、朝の並びも増えていくのではないでしょうか。
『番長3』に高設定を!
前述の話を踏まえ、5号機ART機に高設定を使用する場合に欠かせない機種が、『押忍!番長3』だと思います。設置台数も多く、設定5、6の出玉率も高いため、高設定であるインパクトが非常に大きい台です。
そこでお勧めしたいのが「設定5」です。設定5は、一撃性や高い出玉率など、ユーザーが望む要素を多く備えています。5号機時代の最後に万枚を狙いたいユーザーも多いでしょうから、販促を増やしてアピールしたいところです。設定5を使用していけば、集客面では相当貢献しますし、朝一からの並びも相当増えるのではないでしょうか。機種推しは販促面ではマイナス面も大きいのですが、設置期限が決まっていますので問題は無いと考えます。
また、5号機残り1ヵ月のタイミングで、「6号機ジャグラーの強化」にも取り組んでいきましょう。5号機ジャグラーは徐々に設置台数も減少し、稼働が煮詰まってくることが予想されます。
煮詰まっている分、データ的にも稼働の分だけ出ているように見える効果もあり、設定を下げても稼働は下がりにくくなります。5号機ジャグラーから粗利を確保し、その分を6号機ジャグラーの出玉に回すことで、ユーザーを5号機ジャグラーから6号機ジャグラーへとソフトランディングさせ、安定稼働に繋げていくことが重要になります。
また『沖ドキ!DUO』が30φ、25φともに販売されることが決まったようですが、こちらはメイン機種になる可能性が高いとみています。『沖ドキ!』のようなシンプルに射幸性の高い機種は、導入当初に出しこんでリピーター獲得につなげたい機種です。
1月はこのように6号機ジャグラー、『沖ドキ!DUO』、『押忍!番長3』の3機種を中心に出玉計画を立てたいところです。中には、2月から出せばいい、というホールも多いのですが、全台6号機になった途端ユーザーにそっぽを向かれては、出すものも出せなくなってしまいます。そうなってからでは時すでに遅しです。
したがって、1月から高設定で集客すると同時に、店舗の信頼度も上げる。また、ジャグラーユーザーを5号機から6号機へとしっかりと移行しておかないと、2月からはパチスロフロアが焼け野原のようになってしまう危機感を感じています。これは決して大げさに言っている訳ではありません。
11月は緊急事態宣言も明け、行楽客も増えることから、稼働の好転はなかなか見込めません。しかし12月からは新台ラッシュで、稼働状況も好転してくると見ています。集客できるタイミングで、どのような出玉戦略を立てるのか。この戦略の成否によって、2月以降の稼働の高低が決まってくると思います。
三木 貴鎬
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。