【コラム】パチスロ6.2号機のポイント解説とポテンシャル

投稿日:2021年7月19日 更新日:

6.2号機発表第1弾『うしおととら雷槍一閃』のプレス発表会。フォトセッションに応じる左から兎味ペロリナさん、機種解説を行ったリノさん、水樹さん

パチスロ6.2号機対応の新台の正式リリースが始まった。市場の低迷が続くパチスロだが、6.2号機のポイントはどこなのか、また、そのポテンシャルについて考えてみたい(文=中田藤生※チャーリー・ロドリゲス・湯谷/ピーアールシー代表取締役)。

6.2号機自主規制の概要

パチスロは2018年2月に施行となった遊技機規則改正後の6号機に始まり、その後、低ベース・液晶リール・疑似遊技と緩和された「6.1号機時代」へと突入、そして「有利区間1,500Gから3,000G」へと追加緩和され「6.2号機時代」に入った。

今回緩和された要件を満たす機種は、2021年5月20日より保通協に持ち込み可となり、早期の市場投入が待ち望まれていたが、先日、大一商会の『うしおととら雷槍一閃』と、コナミアミューズメントの『マジカルハロウィン~Trick or Treat!~』の2機種が早々に発表・発売決定。ホール及び業界関係者のみならずユーザーの関心度も非常に高く、9月以降、市場設置後の営業に注目が集まっている。

『うしおととら雷槍一閃』と『マジカルハロウィン~Trick or Treat!~』のスペック

まず大一商会の『うしおととら雷槍一閃』だが、タイプはAT、天井は700Gで純増は1Gあたり2.7枚というスペック。仮に同機が6.1号機であった場合、有利区間は1,500Gなので、天井到達後の残り有利区間は800Gで、約2,100枚しか獲得できない。

しかし、同機は6.2号機、有利区間は3,000Gまで可能だ。これで「どこからでも2,400枚獲得可能」となって、しかも天井到達後は上位ATに25%で突入、AT終了後は約33%の引き戻しゾーンに入るので、無限の出玉が期待できる仕様となっている。この『天井機能の強化』と言う点も、6.2号機ならではの機能の一つと言える。

原作/藤田和日郎「うしおととら」(小学館刊)
©藤田和日郎・小学館/「うしおととら」製作委員会

次に、コナミアミューズメントの『マジカルハロウィン~Trick or Treat!~』。タイプはA+ARTで、ボーナスはBB154枚~203枚、RB42枚、ARTは1セット30G+α、純増は1Gあたり約1枚、天井は333Gとなっている。

A+ARTタイプは、従来までの6号機では作りにくいタイプだった。純増が低いと想定した場合、2,400枚獲得するのに有利区間1,500Gではゲーム数が足りないためだ。今回、6.2号機となり、有利区間3,000Gまで可能になったことで、純増約1枚でも十分に完走できる仕様となった。

6.2号機の優位性と今後のポテンシャル

現在6.2号機の開発に携わっているメーカー関係者に、「6.2号機」の可能性についてヒアリングして見たところ、開口一番に「ゲーム性の自由度が、大きく広がった」ということを挙げてくれた。つまり「ATタイプ」のみならず従来までは作りづらいタイプの機種も、今後は開発が容易になるだろう、との予想だ。

例えばタイプ「A」「A+ART」「A+RT」といった機種を含め、特にゲーム性においてバラエティに富んだ機種の登場が期待できる、ということ。 また、システムの面ではシンプルに使える大当たり区間が「2倍」になったので、今回発売が決定した『うしおととら雷槍一閃』のように「どこからでも2,400枚獲得を狙える」機種の開発が可能になった点が大きい、との話である。

極端ではあるが、今後は天井2,000Gという機種も作れるし、スルー天井によるAT確定機も搭載可能になるので、システムの面でも改善によりゲームの幅は大きく広がるはずということだった。

6.2号機の懸念点

一方、6.2号機のデメリットとしては、あくまで「ゲーム性の幅が広がり自由度が増えた」だけで、決して射幸が上がったわけではない、と言う点である。

「2,400枚規制」は、現行変わらずそのままなので、深い天井やスルー天井搭載機がどれだけ登場しても「時間効率が悪くなるだけ」と、ネガティブに感じるだけユーザーは出てくる、といった懸念が残る。

無論、そこは個々の嗜好性もあるし、版権タイアップ機などメーカーの作り方次第で、あまり違和感のない機種の登場も期待はしている。とにかく「6.2号機になって、劇的にパチスロ市場が活性化する!」といった、魔法の杖ではなく、過剰な期待は禁物で、既に発表となっている「有利区間完全撤去」までの適切なステップと解釈し位置付けた方が良いと、個人的に思う。

最後に

まとめると、前述の通り6.2号機は射幸面が緩和されたわけでなく、あくまでゲーム性の幅が広がり開発自由度が大きくなった、ということである。

これは、例えば「天井機能の強化」のほか、「モードアップ機能」や「純増1枚以下のRT機能搭載機」「低純増ART機」の開発も可能になるということだ。また、逆転の発想になるが、有利区間が切れる回数が少なくなるため、あえて朝一(リセット後)に恩恵のある機能を搭載した機種がもっと登場してくるかも知れない。そこは楽しみが広がりところでもある。

そして、期日は明らかになっていないが近い将来、6.2号機で緩和されたこの有利区間3,000Gも「完全撤去」となる予定である。それまでの適切なステップであるという事を認識した上で、その多様なゲーム性と特徴的なシステムを十分把握したもらえればと思う。

◆著者プロフィール
中田藤生(チャーリー・ロドリゲス・湯谷)
株式会社ピーアールシー代表取締役。経営コンサルティング支援、セミナー活動等に従事しているほか、業界誌や新聞などで執筆活動を行うなど、マルチな活動を行う。

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